おやゆび便り

<箱の中身は。>

どのブラックボックスを開けるのか。
子どもの頃のその選択が、
大人になったとき職業になっていたりする。

ここ数年、ウェブサイトをつくることが
ほんとうに簡単になってきている。
ブログは数分で開設できるし、
専門的な知識がほとんどなくても、
ドロップ&ドラッグで直感的に、
じぶん好みのウェブサイトを
つくれるサービスがアメリカを中心に
どんどん普及してきている。

そのお陰で、高いお金を払って
プロにお願いしなくても、
簡易なものならちょこちょこっと
自前でなんとかできてしまう世界だ。

それはとても便利でありがたい一方、
ふやしている問題もある。
ウェブサイトをつくるサービスが
より自由で便利になればなるほど、
根本のどうやって動いているのかの、
仕組みが理解できなくなっていく。
(理解する必要がなっていく。)

そのため、ウェブサイトをつくる方法が
ブラックボックス化してしまう。
別に構わないじゃないか、
という人にとってはどうでもいいけれど、
どんどん一部の人たちだけが
その分野を担っていくことにもなる。

あまりうまくいえないけれど、
子どものとき、たとえば映画を観たり、
アニメを観たり、音楽を聴いたりして、
ものすごく感動したときに、
すごいなあと感動で完結する場合と、
なぜだろう、どうしてだろう、
中身はどうなっているんだろうと
ブラックボックスを開けたくなるときがある。

開けてみたら、想像以上に複雑だったり、
反対にがっかりするほどハリボテだったり、
いろいろだけれど、とにかく中身を知って、
じぶんがそれとどう向き合うのかを決める。
鑑賞者でいいやとふたを閉じてもいいし、
じぶんでもやってみようと、
分解して中身をいじってみてもいい。

世の中が便利になるほど、
ブラックボックス化するものがふえる。
なんとなくそれでもいいかもしれないけれど、
どの箱の中身を知らないのは、
ぼくは少し不安な気がする。

他の多くの人たちにとっては
ブラックボックスだったとしても、
じぶんはきちんと理解している箱が
少なからずあることが職業人だとも思う。

では、また書きます。
魔法のようで、魔法はなくて。

イデトモタカ