「え」から始まる小さなお話*

<絵。>

絵を買う、ということは
人生の大きな贅沢の一つです。
高価である必要はありません。
有名である必要もありません。
ただ、あなたが「欲しい」と思い、
あなたが「所有したい」と願い、
そして「いい絵だ」と感じるのなら、
それでいいのです。
ただ、そういう絵は、
あまり安くないことが多いというだけなのです。

絵を買うことで
得られる第一のものは、
それは「絵」ではありません。
だからこその、贅沢品なのです。
もちろん絵も手に入ります。
けれどそれは、どちらかといえば、
あなたが本当に手に入れたものの
証(あかし)のようなものとして、
家にやって来るのです。

あなたが絵に支払った
あなたの大切なお金は、
キャンバスやインク代では当然なく、
ある人物の人生であり、
芸術という文化の背景であり、
じぶんの人生を豊かにする経験にこそ
充当されるものなのです。

けれどまた、それらの満足や充足は、
「絵」そのものから滲み出されるものであり、
やはり絵が与えてくれるものなのです。

あなたの人生にぴったりの絵を招待しましょう。
すると思わぬ客も、伴ってくるはずです。

イデトモタカ(2012年5月5日)