世の中自分の思い通りになることは・・・。

子どもの頃、お正月の書き初めは気が重い行事だった。
今年のお正月は実家に帰らなかったからお節はないし、
お餅は好きじゃないからあえて食べないし、
せめて何かお正月っぽいことやりたいな、って思ったら、
子どもの頃のそんな感情を思い出したのだ。
なんで嫌だったのかな、とちょっと考えてみたら、
「何を書くか」を考え、それを公表する、
つまり「今年の抱負」を語ることが嫌だったのだ、
ということに気がついてしまって、
年齢だけはしっかりと大人になったけれど、
なんだ、今も何も変わってないじゃないか、と、
残念だけど、でもなんだか少し笑ってしまった。

先日、人柄も経営技術も素晴らしい、と言われている
ある経営者の方が、社員さんにこう声をかけておられた。

世の中自分の思い通りになることはそんなに多くない。
だから自分のことぐらいはきっちり管理できないとね。


景気も、明日の天気も、あの人の気持ちも、
思い通りになることなんかほとんどない。
仕事にしたって、思い通りに進むとは限らない。
でも自分で「これだけはやりきるぞ」と決めたことを
やりきれるかどうかは自分次第。
それは「毎朝きちんと朝ごはんを食べる」
みたいな目標にしたってそうでさ。

お正月。
今年1年をどう過ごすかを考えるのにふさわしいとき。
自分の外に起こることがどうなるかはわからない。
じゃぁせめて、わたしはどう生きるのか、
どんな毎日を、どんな感情とともに送るのか、
それくらいは自分本意で過ごしたいな、と思う。

「抱負」とは、こころの中に抱いている決意。
そんな「秘め事」を表沙汰にするのが気恥ずかしくって、
こころの中を覗いて確認することもしてこなかったけれど、
自分で思い通りにできることは自分のことぐらいしかないんだ、
と思えば、せめてそれぐらいはなんとかしたいな、
と、その社長のことばを聞いてはっとしたのだった。

これまで思い悩んだことの中で、
自分でなんともしがたいことのなんと多かったことか。
世の中思い通りになることなんかめったにない、
そんなことわかってるつもりでも、
やっぱりどうにもならないつまらないことに
感情をふりまわされてしまうことは多いもの。
そんなことにため息ついてる時間があれば、
もっと進歩的なことに時間を使いたいものよ、
と、いつも思いながら、また明日の天気を心配している、
子どものころから何も変わらないわたしだけれど、
今年はせめて抱負くらいは持とうじゃないか。

どんな感情でいたいのか。
どんな習慣を身につけたいのか。
そんな、はたから見たらなんてことないことでも、
きちんと決めて意識しているのとそうじゃないのとでは、
まるっきり違う毎日になるんじゃないだろうか。

抱負初心者なので、でっかいこと語る前に、
まずはありたい自分に近づけそうな感情と習慣からね、
ちょっとずつ意識して毎日すごしてみようかな、
そんなことを考えている新年なのです。
それを書き初めしたって格好良くはならないだろうけど、
ときおりそれを目にして立ち返ることができるよう、
新しい手帳の1ページめにこっそり書いておくことにしました。

河村羽美(2013年1月5日)

前のページへ戻る