外は内を・・・。

iPhoneのメモを整理しようと思い、
消せるものがないか何気なく見ていたら、
全く覚えのないこんなことばがメモしてあった。

外は内をつくる。内は外をつくる。

これはいったいどういう意味なのか、
いつ、どこで、誰から聞いたのか、
もう今となってはわからないのだけれど、
とても大切なことばのような気がして、
消せずにそのままにしておいた。
そして、どういう意味なのだろう、と考えた。

この「外」と「内」というのは、
人の外面と内面と捉えることもできるけれど、
それよりも、自分以外の外の世界を「外」、
自分そのものや心を「内」と
表現したのではないかな、そんなことをふと思った。

日本には古くから「言霊」という思想がある。
ことばには不思議な力が宿り、発したとおりになるのだ、と。
自分が発したことばは、発した瞬間自分の元を離れ、
自分の外の世界に属する「音」となる。
そして自分の耳に「音」として響き、
こころの奥に「概念」として届く。
その「概念」がまた、外の世界へ影響を与える。

そう考えると、一番身近な外の世界とはつまり、
自分が発することばそのものなのだ。
だったら、もしも今、外の世界を変えたいのなら、
自分のことばを変えればいいんじゃないか。
もちろん、そんなに簡単で楽観的ではないだろうけれど、
変えられないのではなく、自分次第だと思った方が、
なんだか未来は明るくて楽しみなものに感じるでしょう?

小説『アルケミスト』で、
「悪いのは人の口に入るものではない。
 悪いのは人の口から出るものだ。」
というセリフがある。
たくさんの名言であふれるこの小説の中でも、
わたしはとりわけこのセリフが好きだ。
どんな食べ物よりも、身体を、こころを蝕むものは、
いちばんは「ことば」なのかもしれないし、
反対に、何よりも元気を得られるのは、
どんな食べ物よりも「ことば」なのだろう。

外は内をつくる。内は外をつくる。
自分のことばが自分をつくるのは間違いないが、
自分のことばはまた、身近な人の内側にも影響を及ぼす。
不用意なことばを口から出すと、
自分だけでなく、周りの人にまで悪い影響を与える。
自分のことだけでもいっぱいいっぱいなのに、
人の内にまで責任持てるわけがないんだから、
そんな無責任なことは金輪際やめにしたいものだ。

深層心理と言われる、こころの大半を占める無意識の部分では、
否定形のことばを認識できないのだそうだ。
「失敗しませんように」なんて必死でお願いしていると
「失敗」だけが届き、失敗してしまうものなのだ、と。
だからわたしは最近、「気をつけてね」と言うかわりに
「ご安全にね」と伝えるようにしている。
外は内を作るから。そして内が外の世界を作るからね。
たいせつな人には安全な世界で過ごしてほしいからね。

それでは皆様、今日もハッピーな一日を。

河村羽美(2013年1月12日)

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