結局は自分の過去が・・・。

先日、たまたま観ていたテレビで、
車椅子テニス世界ランキング1位の、
国枝慎吾さんの特集をしていました。
オリンピックの決勝戦で、
「何万本打ってきたんだよ!」と
自分に喝を入れる場面がありました。
とても難しい決め球を、毎日毎日、
これまで何万本も練習で打ってきたんだ、
勝てないわけがないだろう!と。

見事勝利して金メダルを獲得したそのシーンに
ただただ感動していると、一緒に観ていた友人が
こんなひとことをつぶやいたのでした。

結局は自分の過去が励ましてくれるんだよね

たぶん誰にだってそういう経験はあると思うんです。
比較にならないほどレベルの低い話ですけれど、
わたしも、15kmくらいだったら平気で走れる、
そんな状態になるまで練習していた時には、
フルマラソンで「魔の30km地点」が
全く苦ではありませんでしたからね。
「残り12kmだったらいつもの距離以下、楽勝!」と。

けれど、本当にものすごく努力した人を見て、
過去の自分にがっかりもしてしまいました。
仕事をするようになって少なくない年月が経ったのに、
今の自分を励ましてくれるようなこと、
どれだけやってきたのかと問われても、
とっさにことばが出てこないだろうと思うからです。

こどもの頃に想像していた「大人」の年齢を
気がつけばもうすっかり超えているのですけれど、
その時私の目に写っていた、思い描いていた大人に
今の自分がまるっきり及ばないように思えて、
ただただムダに歳を重ねてしまっているみたいで、
あぁ、なんだか愚痴みたいになってしまいました。

とはいいながら、これを書いている間にも、
いろんなことがどんどん過去になっていき、
新しい今がやってきます。
今の積み重ねが過去になっていくのですから、
今何をするか、しかないのです。
いきなりだいそれたことができるはずもないのだし、
まずは目の前のことをひとつずつきちんと片付けていく、
そんなことが積み重なっていつか自分を励ますのでしょう。

あぁ、そう思えば、過去の自分に励まされて
やり遂げたこと、どうやらいっぱいありそうです。
当たり前だと思ってやっていたことの中にこそ、
今の自分は励まされているのかもしれません。
もしかしたら、先の国枝選手だって、
何万本にも及ぶ練習をしているその時は、
それが当たり前だと思っていたかもしれないですよね。

今目の前にあることをひとつずつ。
きっといつかのわたしを励ませると信じて。

河村羽美(2013年5月5日)

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