不安が恐怖になる。でも・・・。

こわい話を聞くのは嫌いだ。
子どもの時分に「こわい」と思ったのは、
お化けの話くらいのものだった。
けれど今はどうだろう。
やれ事故だの、やれ病気だの、やれ老化だの。
肩こりは内臓疾患が原因かもしれない、とか、
そういう情報がテレビやネットから飛び込んでくるのだ。
「アンチエイジング」ということばですらこわいこわい。

少し前から、カイロプラクティック院に通っている。
最初の施術の前にたっぷり話をしてくれたのだが、
そのとき先生が言っていたことばは、
日頃こわい話に慣れてしまっていることを
思い出させてくれるのに十分だった。

不安が恐怖になる。でも、メカニズムを知れば大丈夫。

そもそもなぜそこへ行こうと思ったのか。
ちょっとむくみがひどいなあ、とふと気になり、
病院へ行ったけれども原因がわからない。
いろいろ調べるとこわくなってきて、
一度行ってみようか、と思ったのだ。

腎臓が悪いのだろうか、それとも肝臓?と、
悪い方へ悪い方へ思いが傾いていた時だったので、
先生のことばは思い当たることいっぱいだった。
なんだか最近むくんでるなあ、病気だったらどうしよう、
という不安が、いろんな情報を聞きかじり、
いつの間にか恐怖に変わってしまっていた。

いつも作り慣れているお料理を「作って」と言われたら、
なにも困らずにパッと作ることができる。
でも、全く聞いたこともないお料理や、
一度も作ったことのないお料理をリクエストされたら
どうやって作ろうかと困ってしまうだろう。
それは、作り方を知っているか知らないか、の違い。
自分の体もそうなのだ、という。
知らないから不安にも恐怖にもとりつかれる。
自分の体のメカニズムを知れば大丈夫だ、と。

細胞は日々生まれ変わり、周期は違えども、
60日〜90日あれば、ほぼ全ての細胞が生まれ変わるらしい。
この症状はあの病気の前触れかもしれない、
なんて聞けば不安にもなるけれど、
細胞は生まれ変わるんだ、と思えば、
全く根拠はないのになぜだか安心できるから不思議だ。

耳から入ってくることばが観念を作って、
メカニズムも知らないままただ不安になったり、
勝手に思い込んでいたことだらけだったのかもしれない。
これまでずっとひどい肩こりとともに生きてきたのも、
「わたし肩こりひどいのよ」と、言い続けていたからかも、
細胞も生まれ変わることだしね、と思って以来、
肩がずいぶんと軽いのは事実なのだ。

そういえば以前、老化なんて思い込みだ、と聞いたことがある。
老化すると思い込んでいるから老化するのだ、と。
アンチエイジングの特集記事を必死に読みあさるのは
もうやめにしようか、いやでも・・・
と、思い切れないのはお年ごろということで。

河村羽美(2013年8月5日)

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