<忘れていく途中。>

とくべつ仲がいいわけでもないんだけど、
ただなんとなく、風習のように、
誕生日を電話で祝い合うともだちがいました。
ぐうぜん誕生日が近くて、
じぶんの誕生日をおもったときに、
おまけといったらそうなんだけど、
一緒にその子のことも思い出して、
なんだかんだ毎年、電話で数日またぎに
「おめでとう」をいいあってました。
そういえば今年は、電話、しなかったなぁ。

一昨年は、どうだったかな。
うーん、ちょっと、憶えてないなぁ。
誕生日のその電話だけでつながっていたので、
それがなくなったとたんに、
なんだかもう窓口がなくて、
「こうやって、忘れていくのかなぁ」とね、
もともとぜんぜん会ってないから
寂しいわけじゃないんだけれど、
少し儚いきもちになりました。
人が人を忘れていく感じをね、
つまり、忘れていくということを、
じぶんで認識しているというのは、変なきぶんです。
けれど、やがて、ぼくは忘れるのだと思います。
いや、思い出さなくなる、のでしょうね。
埋もれていっても、「ある」ことにはちがいはなくて、
ただどんどん上に積まれていって、
見えなくなってしまうんだなぁ。
大切でなくなってしまうのではないけれど、
重要でなくなってしまうのだと思います。

いつか忘れてしまったことさえ忘れてしまうまえに、
「いつまでも、どこかで元気に長生きしてください」
と、祈ろうと思います。

さて、もちろんきょうも、だれかの誕生日。
おめでとうございます。
生まれた赤ちゃん、こんにちはっ♪

イデトモタカ(2011年6月29日)

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