<切ないイキモノ。>

好きにならないように気をつける。
恋しないように、気をつける。
そういうことをね、人はするんだ。
これはぼくらが、動物から人になって、
はじめて手にした感情なんじゃないかしらん。
近いものでいうと、「切ない」になるのかなぁ。

好きになったらいいのに。
恋したら、いいのに。
そういう「ふつうっぽいこと」さえ、
ぼくらは考えて、いろんな事情を考慮します。
なにを慮ってるのかというと、
それは未来なのだと思います。

だから、つまり、
好きにならないように気をつける、は、
その人とのたのしそうな未来を、
ありえそうな未来を想像することを、しない。
ということじゃないかと思うのです。
それは、たぶん、来ないから、です。
少なくとも、そう思っているから、なのです。

だとすると、
好きで、好きで、死ぬほど好きで、
という状態というのは、
その人との未来に、あってほしい未来に、
うんと想像力を働かせているときかもしれません。
あるいは、こころのなかにその人の居場所が、
とてもあるということだと思うのです。
好きにならないように気をつける、の場合は、
じぶんのこころに、その人を入れない、
ということになるのだと思います。
こころに入れちゃうと、きっと、暴れちゃうからさ。

好きにならないように気をつける。
恋しないように、気をつける。
ぼくらはいつ、そんな高度な感情を、
学んできたんだろうねぇ。
こころが繊細に進化してきて、ちょっと、
傷がつきやすくなっちゃったのかもね。
だれしも、傷だらけで、生きてるんだろうなぁ。

イデトモタカ(2011年11月07日)