<思い出のアルバム。>

いつのことだか、思い出してごらん。
あんなこと、こんなこと、
あったでしょう。

この歌って、どうしてこんなにも
切ない気もちになるんでしょうね。
きょう家で仕事をしていたら、窓の外から、
近くの小学生がリコーダーでこのメロディを
吹いているのが聴こえてきました。
すると反射的に、冒頭の歌詞がね、
自然にあたまのなかで
あまりじょうずとはいえないメロディに乗って、
再生されるのでした。

幼稚園のときのことは、
あんまり憶えていないのですが、
小学生のとき、中学生のとき、
この歌を習ったこと、うたったことは、
たしかに記憶にあります。
もしかしたら、卒業式にも
うたったのかもしれません。
子どもながらに、切ない歌詞だなぁと
思っていたような気がします。

この歌詞のとおり、
人生の、いつのことを思い出しても、
例えば去年の夏でも、高校二年生の冬でも、
なにかしら、あんなこと、こんなこと、
あったのでした。

もちろんね、思い出せない頃もありますよ。
10歳になった誕生日のときとか、
どんなことがあったのか、
どんなふうに過ごしたのかなんて、
ぼくには思い出せません。
けれどそれは、なにもなかったから
思い出せないのではないのです。
たぶん、ふつうに、幸せだったから、
こころにとっかかりができていないのだと思います。

思い出すことを切ないと感じてしまうのは、
そのときにいた人や、そのときにいた場所が、
あるいはそのときにはあった気もちが、
いまにはないからなのかもしれないです。
けれど、その瞬間の延長線上に、
いまがあるわけなので、たぶん、
悲しいことではないんでしょうね。

あんなこと、こんなこと、あったなぁ。
そしてきょうも、そうなんだなぁ。

ぼくのリコーダー、どこいったんだっけな。

イデトモタカ(2011年12月13日)