<否定待ち。>

否定されることを前提とした質問を、
人はしてしまうことがあります。
これを「否定待ち」と呼ぶことにしてみます。
例えば気になってる女の子がいたとして、
その子が「今日、パジャマ買ってもらったんだ」
というと、「彼氏さんに?」なんてね、
つまんない返しをしたりするんです(男ってやつは)。
例えば気になってる男の人がいたとして、
その人が「昨日、おもしろい映画観てさ」
というと、「彼女さんと?」なんてね、
悲劇を誘うことをいっちゃうんです(女ってやつは)。

そんなこと、思ってるわけじゃない。
そんな話を、聞きたいわけじゃない。
否定して、否定して、否定してほしい。
「そんなわけないじゃん」って、いってほしい。
そのことばで「なにか」を確かめたい。
だから、人はついつい、いっちゃうんだ。
だから、人はついつい、きいちゃうんだ。
全力で否定してほしい質問を。

けれどそれは、
あまりほめられたことではないと思うのです。
なかなかいい結果にはならないと思うのです。
むしろたいていは、
質問したじぶんも、その台詞を聞いた相手も、
いい気分にならずに空気が澱んでしまいます。
へたすると互いに凹んでしぼんでしまいます。

けれど若いときはさ(今でも若いんだけど)、
なんでかね、そういうことをするんだなぁ。
おもしろいと思ってるのか、なんなのか、
でも実はちっともおもしろくなんてないんだぜ。
イケテルのはじぶんだけだと思ってる、
中学生のファッションみたいなもんなんだ。

だから「やめとけよ」っていっておきたい。
君より少しだけ長く生きてる先輩として、
あなたを想う健気で素直な後輩として、
そして毎日を一生懸命過してる同世代の仲間としてさ。
「否定待ち」なんてことをしたってさ、
やって来るのは良くて現状、たいてい悲劇なもんなんだ。
ふつうでいいから、仲良くやろうよ、ぼくよ、あなたよ。
そんなことを、ふと思ったきょうなのでした。

イデトモタカ(2012年1月21日)