<縁だから。>

縁だから。

そのことばでじぶんのこころが、からだが、
どうにかでも納得してくれるようになって、
つまり、敗北のような「あきらめ」とは別の
どうしようもない結果として訪れる
「そのこと」や「あのこと」を、
受け容れるというのか、ただ認めるというのか、
じぶんの意志とも、相手の意思とも、
無関係に執り行われるモノゴト、
決まっていく道程、
複雑にむちゃくちゃに絡み合った糸の
先と先がつながっているのかどうか、
それは個人の行動や思考といった
了解の得られる世界とはまったくかけ離れた場所で、
静かに、そもそも、終着の知れている存在として
「ただ待て」と無言で云うかのように、
ほどく時間を攫っていく代わりとして
「もしかしたら」という到底しようもない
希望に似たなにかを与えてはくれるものの、
決定権はこちらにも、あちらにもない、
いわばろくでもないもので、
抗うことは元より叶わず、
争うときには大抵仕舞いで、
悲劇か喜劇かは問わないとして、
どちらにせよ初めと終りにはふれられず、
中章をいかに描き演じるかということだけが
唯一許されることなのだ、と、
そういうことを少なからず感じとり、
そういうことがあるのだと理解して、
じぶんという人間の領域を知り、
じぶんという個体の限界を悟り、
わかりましたと歯を喰いしばりながらも、
壁を殴ることもせず、天に唾を吐くこともせず、
ある程度には用意していた覚悟に目を遣り、
深い息を吐いて終りについて口出しをしなくなっただけ、
幾らか大人になったなぁと思います。

イデトモタカ(2012年1月30日)