<叶ってる願い。>

もし、ぼくがあなたの飼い犬で、
いつも側にいてくれるあなたのことを
本気で好きになってしまったら、
いったいどうするだろう。

迷惑じゃないかと思うだろうか。
だれかに相談したくなるだろうか。
気持ちが芽生えたそのときから、
接し方は変わってしまうだろうか。

異性を部屋につれてきたら、
きっと全力で吠え散らかして
つかったこともないこの牙を
相手に見せつけてやるだろう。

今度せっかくの二人の時間を、
遠くのだれかと話しができる
あの小さな機械に邪魔をされたら
どこかに隠してしまうだろう。

これは、この恋が、小さな恋が、
叶う、叶わないの問題じゃない。
なにせ、叶わないのだから、きっと。

だから、このまま好きでいていいのか、
本気で好きでいていいのか、
という問題なのだ。

けれど、ぼくはあなたに
なにを望むのだろうか。
なにせ、愛されているのは、知っているから。

うんと考えてみても、答えは一つ。
いつも側にいてほしい、ということだ。
そしてそれは、最初から叶っていることなのだ。

あなたも、もちろん、
ぼくがあなたのことを好きだというのを、
十分に知っているだろう。
けれど、それは、ほんとのほんとの、
まだまだ半分くらいなのだ。

それを想うと、少し切なくなって、
ぼくは「くぅん」なんて鳴く。
あなたが笑顔で抱きしめてくれますように。

詩・イデトモタカ(2012年3月22日)