<わたしの時間。>

本を読む。
この、本を読んでいるときの時間は、
だれのものなのだろう。
わたしの時間なのかしら。
著者の時間なのかしら。
それとも本の時間、なのかしら。

映画を観る。
この、映画を観ているときの時間は、
だれのものなのだろう。
わたしの時間なのかしら。
監督の時間なのかしら。
それとも映画の時間、なのかしら。

仕事をする。
これにしたって、そうだ。
わたしの時間なのかしら、
会社の時間なのかしら、
それともわたしがこの仕事をすることで、
よろこぶだれかの時間なのかしら。

いったいわたしの時間は、
わたしのための時間は、
どこにあるのだろう。
これじゃあ、なにかをするたびに、
わたしの時間が失くなっていってしまう。

料理をする、これもそう。
掃除をする、これもそう。
電話をする、これだってそうじゃない。
わたしの時間をとらないで!

そう思って、考えた。
どうすれば、時間をわたしのものにできるだろう。
いろいろいろいろ、考えた。
そうしてようやく、見つかった答えは「愛」だった。

本を読む、この時間をわたしは愛そう。
映画を観る、この時間をわたしは愛そう。
仕事をする時間だって、わたしは愛すわ。
その他のなにをしているときだって、
わたしはその時間を愛するわ。

気がついたの。
わたしが時間を愛したら、
時間もわたしを愛してくれたのよ。

なにをしているときだって、
どう過しているときだって、
わたしはその時間を愛するわ。
それは、わたしの時間だもの。
愛することで、わたしの時間になるのだもの。

詩・イデトモタカ(2012年4月2日)