<お金はこれくらいで。>

対極にあるようなものが、
実は紙一重の存在、
コインの裏表のような関係にある、
ということは、めずらしくないことです。
バカと天才、愛と憎しみ、決断と逃げ・・・・。
最近、そういうぼくのひきだしのなかに、
あらたに「謙虚と傲慢」が加わりました。
その原因となった話を、
ある会社の社長さんがしてくれました。

「ぼくのところにはよく、いろんな人が
経営やお金儲けのことを聞きにくる。
そういうとき、ぼくはいつも質問するんだ。
いくらくらい収入(お金)がほしいの。
するとたいていの人は、
さもじぶんは謙虚ですという感じに、
「私は年収800万円もらえれば充分です」とか、
「年収1000万円、それ以上は望んでません」とか、
ひどい場合は「じぶんと家族が食べられれば」
なんてことをいう人もいる。
確かに、年収1000万円は大金だよ。
でも、事業をやっていれば、
それくらいの収入になる可能性はいくらでもある。
けれど彼らはそれで充分だ、
それ以上の高望みはしないという。
じぶんと家族が不自由なく暮らせるくらいの
収入であれば、それでいいという。
それは、どういうことかわかる?
彼らは、じぶんのことしか考えてないんだ。
じぶんの幸せのことしか、頭にないんだ。
つまり、傲慢なんだよ。
本人たちは、それが謙虚だと勘違いしてるけどね。
ぼくはいま、彼らの望んでいる金額よりも、
多くの収入を得ている。
でも、もっとほしい。
なぜなら、幸せにしたい人、応援したい人、
なんとかしたいことが山積みだからだ。
正直なところ、じぶんの生活に関していえば、
月に30万円、多くても40万円もあれば足りるよ。
でもそれじゃ、じぶんの人生の面倒しか見られない」

ぼくはこの話を聞いて、
じぶんの謙虚が、実は傲慢だったなんてこと、
きっとたくさんあるなぁと思い知らされました。

パタゴニアというアウトドアブランドの創設者である、
イヴォン・シュイナードさんは、
じぶんの資産で自然の森林や渓流の土地を買い占め、
開発や破壊がされないように保護しているそうです。
日本ではイヴォン・シュイナードの親友、
浜野安宏さんが同じようなことをされています。
ハリウッドではブラッド・ピットさん、
アンジェリーナ・ジョリーさんの夫婦が、
さまざまな国の子どもの里親になっています。
心底、すごいなぁと思います。

多くを得ることが傲慢、
必要最低限しか得ないことが謙虚、
なのではなくて、
あくまでも重要なのは、問題なのは、
それをどう使うのかという出口にあるのでした。
そのことを学ばせていただいた、
ある種とても興味深いお話でした。

イデトモタカ(2012年6月28日)