<恋愛と恋と。>

恋愛はひとりではできないけれど、
恋ならひとりでもできる。
はじめるのも、終わらせるのも、
じぶんひとりで完結できる。

乙女は失恋すると、
大切な髪を切るという。
けれど、これは少しおかしい。
恋ごころはじぶんひとりのものだから、
終わらせる、ということはできても、
失う、というようなものでは
もとよりないのではなかろうか。

仮に告白をして、
フラれたのだとしても、
その恋を失くしてしまうのかどうかは、
じぶんで決めることなのだ。
たんに、恋が恋愛へと成就しなかっただけ、
ただそれだけで、失ったわけではない。

本当の失恋とは、
気づいたらいつの間にか、
あの愛しい感情を思い出せない、
あの切ない情動が抱けない、
かつてもっていたはずの恋ごころが、
知らぬうちに、じぶんの意思とは無関係に、
どこかへいってしまって帰ってこない。
そういうものをいうのではなかろうか。

恋は自由なものだ。
手に入れた瞬間に、あなたのものだ。
それがいつか、雲散霧消するまでの間はずっと。

恋は自由なものだ。
手に入れたそれを、手放すのもあなただ。
けれどそれは失恋ではない。
あえて名付けるとするならば、
放恋(ほうれん)や、離恋(りれん)や、
諦恋(ていれん)なのである。

恋は自由なものだ。
恋ごころは、ずっとあなたのものなのだ。

イデトモタカ(2012年6月30日)