<変化するが自然。>

安定したい。
特に収入や生活についてそう願うこころは、
ある一定の年令に達した人ならば、
だれしも抱いたことがあったり、
あるいはふとした瞬間に、
求めていたりするものではないかと思います。

けれど、ぼくはそれは
無理なことだと思っています。
なぜそう思うのかといえば、
一言であらわすなら「不自然だから」です。
自然の秩序に反しているから、なのです。

木は春になると花を咲かせて、
夏には緑の葉でいっぱいになります。
秋にはそれが紅葉し、
冬には枯れ葉となり散っていきます。
そして、やがて小さな芽を出して、
また春には花を咲かせます。
つまり、日々「変化すること」が基本にあります。

それは四季のない国や地域にしてもおなじです。
また、当然「木」に限ったことでもありません。
自然の世界では、常に「変化」しています。

川は流れる、雨は降る、雪は溶ける、雲は動く、
太陽だって昇っては沈みます。
あらゆるものが刻一刻と「変化」しています。
それがぼくらの住んでいるこの世界です。
安定しているものなんて、なに一つないのです。

ぼくらは安定したいと願います。
でもそれは、「時間を止めたい」ということと、
おなじことだと思うのです。
自然なことではないのです。

求められていないモノをつくる、
必要のないものを売ろうとする、
商品やサービスの内容を偽る、
実際の価値よりも高い値段をつける。
ぼくはビジネスというものをやってきて、
そういった「不自然なこと」をして、
失敗していく人をたくさん見ました。
じぶん自身が失敗したことも、いっぱいあります。
そして何度も痛い目にあって思ったのでした。
「自然の摂理に反することは、うまくいかない」と。

生活においても、ビジネスにおいても、
真に「安定」というものはないのだと思います。
短期的にはそれっぽく見えたとしても、
長期的にはやはりそれは有り得ないものです。
あるいは、安定だと信じているものが、
実は停滞だったりするかもしれません。
けれど自然は安定も、停滞も、
好んではないように(ぼくには)見えるのです。

だとすれば、答えは一つ。
変化をたのしみましょう。
それがたとえどんな変化でも、
ぼくらにはそれができますからね(幸運にも!)。

イデトモタカ(2012年8月21日)