<恋しさについて。>

恋しさ、という感情があります。
ひとりでいると、みんなが恋しくなります。
みんなでいると、ひとりが恋しくなります。
家にいると、旅が恋しくなり、
旅に出ると、家が恋しくなり、
パスタばかりだと、お蕎麦が恋しくなり、
お蕎麦がかりだと、パスタが恋しくなるものです。

つまり、ぼくらはいつでも、
恋をしているということなのかしらん。
つまり、ぼくらはいつでも、
恋がうつろっているということかしらん。

恋しい、と思うということは、
ひどく健康な感情なのだと思うのですが、
あれやこれやと恋する人を、
人はあまりよくはいわないものです。
それは、どうしてなんでしょうね。

切なさを感じるな、儚さを感じるな、
寂しさを感じるな、そういわたところで、
無視できるものではないのが、
感情というものなのではないかしらん。
恋しさを感じるな、というのであれば、
かわりにどう生きればいいのかと、
教えてくれたらいいのに、と思います。

感情を支配する、コントロールする、
そういうことは、訓練次第で
できるようになるのかもしれませんけれど、
ぼくはあまり魅力を感じません。
せいぜい、なだめるくらいで充分じゃないか、
そうやって、一緒にやっていくのが正常じゃないか、
というふうに思ってしまいます。

恋しくて、いいんじゃないか。
想うことは自由なのです。
実際にそう動くかどうかは、
しっかり考えなさいよと云っておきますが、
どこまでいっても、
想うこと、恋しくなることは、フリーダムです。

イデトモタカ(2012年10月28日)