<対じぶん。>

ぼくらには、それぞれにじぶんの
ベストを尽くすことしかできないのだ。
あの人にこうしてほしいだの、
あの人にこう思ってほしいだの、
あの人がこうなればいいのにだの、
そんなことは、考えても考えても、
どうにもしようのないことなのだ。
ぼくらにできることは、
じぶんのことに集中をして、
じぶんの今できることに集中をして、
ベストを尽くすことだけなのである。

ベストを尽くしているぼくと、
ベストを尽くさなかったあなたとが、
近い将来に散り散りなってしまっても、
別れ去ってしまうことになったとしても、
それはしようのないことなのだ。
じぶんがベストを尽くしたことに、
後悔などありえるわけもないのだから。

反対に、ベストを尽くしたあなたと、
ベストを尽くさなかったぼくとの関係が、
そう遠くなく、切れて分かれてしまっても、
ぼくがあなたを責める道理など、
微塵もあるわけがないのである。
そのことは、それぞれみんな暗黙に、
了解していることなのだから。

いまベストを尽くしているぼくと、
いまベストを尽くしているあなたが、
いまこうして一緒にいる。
この先も、もしかしたら一緒にいられる。
そんな素晴らしいことはないだろう。
けれど、それぞれに、
よりベストを尽くした結果として、
一緒にいなくなることだってあるだろう。
それは悲しいことにも思えるけれど、
それも素晴らしいことといえるのだ。

成長するということは、前に進むということは、
悲しみや孤独もつれていく、ということなのだ。

ベストを尽くす。
それ以外に、ぼくに、あなたに、
それ以上に、ぼくに、あなたに、
できることなどないはずだ。

イデトモタカ(2012年12月2日)