<琢磨。>

あなたを忘れることができたら
あなたに会いにいける
じぶんを忘れることができたら
明るく生きていける
けれどそれができないから
そう振る舞うことが精一杯の
できること

たった一つの傷でも
どんな小さな傷でも
癒えることはあっても
消えることはない
見えなくはなっても
消えることはない

生きていくということは
傷を負うということだ
積極的に生きていくということは
傷だらけになるということなのだ

子どもが輝いてみえるのは
まだ傷を負っていないから
ぴかぴかの玉だから
けれどそればっかりが
うつくしいものではない

いたるところ傷だらけでも
懲りずに磨き続けられていたなら
無垢ではなくとも
新品の輝きではなくとも
その人だけの魅力的な光を放つ

あなたのことも
じぶんのことも
忘れることはできなくても
その傷を磨き魅力に変えることは
まだどうにかできそうだ

イデトモタカ(2014年7月10日)