<負けない人。>

所有物として意識できる範囲の持ち物を、
持ち物として所有する。
部屋の整理整頓をするたびに思うことです。

昔よく遊んだRPGゲームでは、
たいてい持ち物の個数制限がありました。
あれはやっぱり、正しいし、
理にかなっていると思います。

人はそんなに多くを持って生きられないのです。
まして、冒険してる身であるのなら、なおのこと。

かつて最強を誇ったローマ兵士の
強者たるゆえんの一つには、
彼らの荷物の少なさがあったのだと
本で読んだことがあります。

実際、イタリア人は旅の荷物が少ない人種だそうですが、
守るべきものが少ない、失って困るものが少ない、
裏を返せば、身軽に生きることができるというのは
それだけで大きな強さなのだということでしょう。

現代における「強さ」ないし「強い」とは、
腕力のことばかりではないわけです。
では、なんなのか。
強さとは。

お金をたくさん持っている?
プレゼンテーション能力が高い?
営業力がある?
誰からも好かれて人気がある?
他の人が思いつかないアイディアを思いつく?
相手の反論を全て負かせる弁論術がある?

わかりません。
強さの定義は人それぞれでしょうから。
ただ、一つこうではないかということがあります。
それは「負けない」ということです。

自分の身を破滅に追い込むようなことをしない、
そういうものを避けられる人というのは、
積極的な強さではないかもしれませんが、
致命的な負けを見ることもないでしょうから、
ぼくには強い人なのではないかと思われます。

では、どういう人が負けない人か。
それは「自分のことがわかっている人」だと思うのです。

敵を知り己を知れば百戦危うからず。

人生における最大の難所は「己を知ること」でしょう。
それができないばっかりに、世間では強いとされる人も
破滅していってしまうわけでしょう。

そして、己を知るという「強さ」を手に入れる
もっともシンプルで重要な取り組みが、
所有物として意識できる範囲の持ち物を、
持ち物として所有する、ということではないかと思うのです。

手の届く範囲を知ることが、
手の届かないものを掴むチカラになるのではないかしらんと。

イデトモタカ(2014年7月17日)