<呪文。>

知らず知らずに人は、
人を呪い、人から呪われている。

知は力ではない。
力は行動だ。
けれど、行動を生むのは
ことばなのだ。
人の行動はことばによって
支配されている。

じぶんのことばで
じぶんを奮い立たせる人もいれば、
他人のことばでそうする人もいる。

じぶんのことばで
じぶんを駄目にしてしまう人もいれば、
他人のことばでそうなる人もいる。

ことばは祝詞にもなれば呪いにもなる。

一番たちが悪いのは、
近親者にかけられる呪いだ。

髪をセットしていると、
言わなくてもいいのに
「あなたは早く白髪になるよ」
「あなたはきっとハゲるわね」
などと言う。

挑戦しようとすると、
言わなくてもいいのに
「うまくいかないと思うけど」
「あなたには無理よ」
などと言う。

その通りになれば「ほらみな」と胸を張り、
ならなければ忘れている。

そのことばに何の意味があるのだろうか。
それは呪いと変わらないのだと
なぜわからないのだろうか。

あなたのことばが
誰かの行動を支配することがある。
誰かのことばが
あなたの人生を支配することがある。

悪気がないは言い訳にもならない。
人を呪いませんように。
人から呪われませんように。

人を呪わば穴二つ。
実は呪いのことばを吐いた本人も、
そのことばを聞いている。
しかも、一番近くで。

じぶんを、誰かを、祝福する人生を。

イデトモタカ(2015年2月17日)