<親密ジレンマ。>

人間関係にはジレンマがある。
他の人といい関係を築くことは、
生きていく上でのリスク回避になる。
生き延びるための保険になる。

もしじぶんの身になにか起こったとき、
助けてくれるのは他の人間しかいない。
そのときに手を差し伸べてくれる相手が
何人いるのか。

量よりも質が優先される問題だけれど、
それでもそういう人がいると
胸を張っていえる人は強く、死ににくい。
いいかえると、復活しやすい。

けれどここにジレンマが生じる。

どちらかの身に災いがあったとき、
ピンチに陥ったとき、必ず助けると
誓いあえる相手はそうそういない。

もしそういう相手がいれば幸福だけれど、
その相手が異性なら必然親密な関係になる。
それだけの信頼と愛がある異性なら、
親密にならない方が不自然だ。

もしそういう相手が同性なら、特に男同士なら、
十中八九いつか一緒になにかをしようとなる。
「なにか」とは、もちろん仕事や事業だ。

けれどそれではリスク回避にならない。
他の誰よりも信頼できどんなときも必ず守ると
誓い合うような異性とは結婚する可能性が高い。

他の誰よりも信頼できどんなときも応援し合うと
認め合う同性とは普段から協力して生きる可能性が高い。

しかしそうなると、有事が同時にやってくる。
離れているからリスク分散になる。
一緒にいないから違う運命を歩み、助け合える。

いざというときに力になってくれる人間関係は貴重。
でもその貴重な人間を近くにいさせないことは難しい。
それが人間関係のジレンマを生む。

イデトモタカ(2015年7月12日)