<夜の対話。>

ある女の子がいいました。

男の人って、どうして、
結婚したいけど今はできない、なんて言うの?
待っていたって、なにも起きやしないじゃない。

ぼくは少し考えてから答えました。

結婚したら、してあげたいことがあるんだよ。
庭つきの可愛い家で、犬を飼ったり。
キッチンにはオーブンがあって、パンを焼いたり。
でもそれが今は、まだできないんだよ。

女の子はいいました。

一緒になれたら、それでいいのに。
庭も、犬も、オーブンも、
いつか叶えばいいじゃない。

ぼくは困りながら答えました。

そのとおりだね。
でも男は見栄っぱりだから。
庭も、犬も、オーブンも、プレゼントできる男として、
好きな女の子をお出迎えしたいんだよ。

女の子は首を振りました。

ちっともわかってない。
見栄なんて、いらないのに。
家族になったらみんなまるわかりなんだから、
背伸びしたって仕方がないじゃない。
そんなことより、私は一秒だって早く、
好きな人と一緒になりたいのに。

ぼくはまた、困りながら答えました。

男はなにかが起こると思ってるんだよ。
奇跡みたいな、なにかがさ。
だからもう少し待ってくれって頼むんだ。

女の子はいいました。

馬鹿みたい。

ぼくはうなずき、いいました。

そうだね

イデトモタカ(2015年9月22日)