<牛ドバイス。>

夏目漱石が晩年、芥川龍之介ら門下生たちに
贈ったといわれていることばが、すごく好きです。


 どうぞえらくなってください。
 しかし、あせってはいけません。
 牛のようにずうずうしく
 すすんでいくことがだいじです。

 牛になることはどうしても必要です。
 わたしたちはとかく馬になりたがるが、
 牛にはなかなかなりきれないのです。

 根気です。

 世の中は根気の前には頭をさげますが、
 火花は一瞬で忘れてしまうでしょう。

 牛のように、うんうん死ぬまでおすのです。
 なにをおすかというと、人間をおすのです。


まったく、ぼくらは、馬になりたがります。
また、馬であることを善しとしたり、
それが理想の、かっこいい生きかたであるかのように、
雑誌やテレビなどのメディアの影響を受けます。

あなたも馬になるための7ステップ。
馬と牛の10の習慣の違い。
だからあなたは牛なんだ。
馬はみんなやっている秘密の勉強法。
いま大注目の馬の憧れライフに密着。

そういうものを至るところで目にします。
やっぱり馬はいいなあという気になります。
でもいい加減、馬にはなれないのだ、
馬のようなタイプではないのだと感じます。
昔はなりたかったし、悔しくもありました。
でも、それでいいのだといまは思います。
それよりも、根気、なのです。

うんうんとおしつづけたいと思います。
死ぬまでおしつづけたいと思います。
なにをおすのか。
夏目漱石がいうとおり、人間をです。

イデトモタカ(2016年6月12日)