<くちに。>

口にすれば叶うことは、
けっこういっぱいあったりします。
それも、じぶんとしてはおおごとだとか、
むずかしいことと思っているものが、
あっさり希望どおりになるなんてことは、
ふしぎでもなんでもなく、あります。

ぼくもこの長くも短くもない
これまでの人生経験のなかで、
なんどもそういう体験をしました。
言うか、いや、どうするか、言わまいか、
でももうだめだ、手一杯だ、言うしかない、
と個人的にはずいぶんと追いつめられるところまで
がまんしたのに、おそるおそる口にしてみると、
ああ、いいよ、なんて口調で軽く叶ったり、
そうかそうかとなにごともないように
希望がとおったことが何度もあります。

見方によって、それだけまで待ったから、
認められたのだというふうにも思われますが、
別の見方をするなら、もっと早くに言っていれば、
もっと早くに現実は変わっていた気もします。

大事なことは目に見えないということばを、
ぼくはとても信用しておりますが、
なぜか人はまた、大事なことほど、
なかなか口にしようとはしません。
言ったらいいのにという願いや希望や願望を、
それが大事に思われるほど、言うのが躊躇われます。

ネガティブな結果になったときのことを
おそれているからかもしれません。
リスクをとるのを避けているのかもしれません。
けれどほんとうは、そんなものは、
リスクでもないんでもないのだと思えたのなら、
なにか変わる気もします。
なかなかぼくはそういう感じではありませんけれど、
いつだって現実を変えるのは積極的な関与です。

イデトモタカ(2016年10月4日)