<情の好き嫌い。>

愛は万人に、信頼は少数の人に。
言ったのは、本当かどうか、シェイクスピアだそう。
ぼくも短いながらに生きてきて、
この格言には頷くところがあります。

とはいえ、ここのところ少し考える部分があります。
先の格言の意味するところとは異なりますが、
(あらゆる)人と仲良くなるのも、どうだろうかと。
つまり、いい面ばかりではないぞと思われるのです。

ぼくは基本的な買いものはインターネットでします。
というか、ほとんどがアマゾンでします。
書籍はもちろん、日用品から、食品から、
文房具、場合によっては服飾関係まで、
いわゆるネットショッピングで行っています。

理由は、購入するものがほとんど決まっているから、
ということと、買いものをする時間が夜中だから。
それと、じっくり冷静に、あらゆる比較ができるから
という部分に因っています。

とりわけ、この「冷静に」というのが問題で、
確かに実際にお店に足を運んで、
店員さんと話をしながら、相談したり、意見を聞いたり、
時には関係のない談笑をしながら何にするか決めるのは
買いものの醍醐味の一つでもあります。

親しくしてくれているお店もいくつかあります。
ですが、仲良くなったり、理解を深めたりするほど、
良くも悪くも「情」がでてきます。
そしてこの情は、これまた良くも悪くもですが、
判断において「冷静さ」を鈍らせもします。

そんなに買いものにストイックさが必要ですかい、
と問われれば苦笑いするしかありませんけれど、
ぼくは「情」によって判断が甘くなったり、
鈍ったり、場合によっては間違えてしまうじぶんが、
なんとなく好きになれません。
お店側の人たちにとってみれば、そこが狙いといいますか、
そういう「感情的なつながり」こそが武器であり、
秘密兵器たりうるものなのも承知です。

別れるのが辛いから出会いたくない、
なんて少女のようなことは思いませんけれど、
親しくなることが目的ではない相手と
あまりに親しくなることは、あるいは手放しに
「いいこと」だとは思えなくなっております。
生きるというのは、おかしなものです。

イデトモタカ(2017年1月8日)