<チャージは500円だよ。>

やぁ、ようこそ、いらっしゃい。
きみは、いつも、やってくるのかい?
それとも、きょうは、やってきたのかい?
なににしても、まずはあいさつからだ。
おとなの付きあいだからね。
どうもっ、こんばんは。

きみは、なにを求めてここに来たんだい?
ぼくが着いたのが夜の10時だから、
もう、けっこうなじかんだろうにさ。
ぼくはきみの顔が見えないからね、
それに、きょうのきみと、あしたのきみは、
ちがうかもしれないだろう。
だから、なにを求めているのかと考えて、
リクエストに応えたいと思っていても、
これがなかなかむずかしい問題でねぇ。
ああ、失礼、なにか飲むかい?
といっても、ココアしかないんだけどさ。

そういえばきみは、映画は好きかい?
映画はいいよね、手軽に非日常を体験できて、
なによりたいてい日常よりは刺激的なもんさ。
非日常を提供するプロといえば彼だね、えーっと、
ほら、一昨年亡くなった・・・・そうだ、マイケルだ。
彼は一流のエンターテイナーだったね。
ぼく? ぼくは残念ながらずいぶんなリアリストさ。
エンターテイナーではありたいと思っているんだけどね。
しかし、映画の話に戻るけど、いくらおもしろいといっても、
1800円はちょっと割高だと思わないかい?
ぼくはオトコのコだからね、水曜日を待っても仕方ないんだ。
ここはたいしておもしろくはないかもしれないけど、
タダでやってるから、お金がないときは来ればいいよ。
あ、そのココアは450円だからね。

おやおや、もう後半になってきているじゃないか。
このままだと、まるでおいしくないスナック菓子だね。
身にもならず、快感もないなんて。
まぁ、太りはしないから、そこはぼくが勝っているかな。

なんだい? いつもの人とちがうって?
いまさらなにをいっているんだい、きみは。
といっても、あしたはまた、いつもの人が来てると思うよ。
彼は真面目ぶっていて、実はけっこう冗談が好きだからね。

なんだい? きょうはこれで終わりかって?
いまさらなにをいっているんだい、きみは。
・・・・と、いいたいところだけど、安心してほしい。
ぼくがこんなにつまらない人間なわけがないじゃないか。
おどろくなかれ! 冒頭から右から二番目の文字を縦に読んでみたまえ!
































ははは、言ってみただけさ。
そんなすごいことができるわけないじゃないか。
ぼくは冗談が好きなのさ。

ではきょうも、ご来店ありがとう。
またあした待っているよ。

BAR Dettakoomia.(2011年5月1日)