no.15 『あなたの人生を変える睡眠の法則』 著:菅原洋平(1) cart

一 節

50%はすでに知っている状況だけど、
残りの50%は未知の領域、
というシチュエーションで
最もやる気が引き出されます。

感想文

「やる気」というものについて
そういえばあんまり考えたことがありませんでした。
ぼくに「やる気」があるのか、と訊かれれば、
あるといえばあるし、ないといえばない、
というような、そんな程度の認識でした。
「がんばる」だとか「全力を尽くす」ということと、
「やる気」というものは、関係が深そうで、
実は切り離しても扱えるとも思っているから
なのかもしれません。

けれど、この冒頭の文章は興味深かったです。
半分は知ってて、半分は知らない。
そういうことに挑戦するのが一番「やる気」が出る。
イマイチこの「やる気」の定義がじぶんのなかでまだ
判然としないのですが、感覚としてはわかります。

さらに腑に落ちたことは、
はぜ50%(半分)知っている状況の方がいいのか、
ということでした。
ゼロ、なにも知らない、まったくわからない、
それこそ未知への挑戦の方が「やる気」については
出そうな気がしないでもないです。
アドレナリンっていうのかしらん、
そういう脳内の興奮物質が出そうじゃないですか。
それに、社会的にすごく「やる気」のある人、
たとえば起業家やアーティストなんかは
まったくやったことのないことに挑戦し続けている、
そんな印象を持っている人も少なくないと思います。

でも、著者は「そういうやる気はダメだ」といいます。
そういう新しいことに挑戦するときに
引き出されている「やる気」というのは、
実際には「恐怖」がもとになっているのだと。
引き下がることができないような状況や、
大切なものを失うかもしれない場合も同じかもしれません。
恐怖に頼った「やる気」はいいものではないそうです。

その理由は、専門用語で「順化」というのだそうですが、
恐怖はやがて「慣れる」という性質にあるのだと指摘します。
つまり、「やる気」の発生源を「恐怖」に求めてしまうと、
いつかはその恐怖が薄れてきて、また「やる気」を失い、
そして再び「やる気」を手に入れたいと思ったら、
前回よりもいっそう「恐怖」を感じるものを求める、
というサイクルに陥ってしまうのだといいます。

これには、なるほど納得するところが多いです。
ぼくは「起業病」という名前で教わったことがありますが、
多くの起業家というのは0(ゼロ)から1を生み出すことに
とても充実感と達成感とやり甲斐を得てしまいます。
その瞬間に一番の情熱がわくのです。
だから、その後の事業が軌道に乗ったりすると、
途端に魅力を失ってしまって、いわば飽きてしまって、
また次の新しいこと(0から1)に手を出してしまう。
そういうことがあるから注意しなよといわれました。
そしてそのときのぼくは、まったくその通りの人でした。

今思い返すと、あのときの「やる気」は、
間違ってはいないし、否定もしないのだけれど、
「いい生まれかた」はしていなかったのかもしれません。
冒頭のことばに出会って、そういうふうに感じました。

一つの感情、想いにしても、
その発生源、生まれかたの良し悪しというものにも、
これからは目を向けてみようと思います。

イデトモタカ(2013年7月17日)

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