no.19 『ゲーテ格言集』 著:ゲーテ(1) cart

一 節

年をとるということが既に、
新しい仕事につくことなのだ。
すべての事情は変わって行く。

感想文

変わらないことを望んでも、
安定などない、永遠などない、諸行無常なのである、
と一番実感されるものは、皮肉にも、
じぶん自身の肉体からではないかと思うのです。
体力が低下する、記憶力が落ちる、
そういった内面の変化だけでなく、
肌のハリが以前ほどない、シミができてきた、
そういった外見の変化も生々しく体験します。

これは、じぶんという人間は、
過去のじぶんという人間とは、
延長線上にありながらも、どこか別人で、
どこか他人であるということではないかと思われます。
適材適所、ということばがありますが、
常にじぶんという人間は、存在は、
ゆったりとでも日々違うものになっているのであれば、
やはりまっとうできる役割、仕事、
社会的な責任というものも、
同様にゆったりと、変化していくと考える方が、
より自然であるような気がします。

厳しいことを言うとすれば、
じぶんの変化を受け止めず、対応できず、
もう今とは別人になりつつある過去のじぶんの
役割、仕事に固執している人というのが、
つまり進化を止めた人であり、
繁栄から取り残されていくのではないかと感じます。

ずっと同じ仕事をしているようでも、
そこに年齢、体力、経験、社会の変化に合わせた、
小さな小さな変化は必ずあると思います。
むしろ、それがないのであれば、
やはりどこかで「間に合わなく」なるはずです。

人は必ず年をとります。
たとえそれが外からは見えにくい人であっても、
やはり大きな枠組みの中では抗える流れではありません。
無意識にとっていく年に対して、
じぶんという主体がどこまで意識してそれに
じぶんを合わせていくか。
その準備を日々怠らないかということが、
現代を生きていく「進化」なのではないかと思います。

老いることに苦労はいりませんが、
じょうずに社会のなかで年をとることは、
簡単ではないのかもしれません。
でも、だからこそ、やりがいのある課題にも感じられます。

イデトモタカ(2013年9月28日)

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