no.28 『15歳の寺子屋 ひとり』 著:吉本隆明(1) cart

一 節

恋愛なんてものは、どっちかが積極的に
動かないとうまくいかないもんだと思いますよ。

感想文

強引さ。
あまり好きなことばではないですが、
そういうものというのか、資質を持っている人ほど
恋愛においては優位なのかもしれません。

学生時代の、目立ちたいこころもあるけれど、
進んで手を挙げたり、大声でバカなことをしたり、
舞台に上がって一芸を披露したりする人を
観客としていざ眺めていたときの、
いやいや、じぶんには到底あんなことは
できやしないと思ったりした思い出は、
ここに来てくださっているあなたなら
一つや二つといわず、あるのではないかしらん。

そこで目立てる人間というのが、
人生で得をしているのかと訊かれれば、
それはわからないですけれど、
こと恋愛においてはそういった
少々むちゃなくらいの「積極性」がある方が、
実を結ぶということは多いように思います。

じぶんには「積極性」なるものは、
生まれつきこれっぽっちもないのだ
という人もあるかもしれませんが、
そんなことは有り得ませんからね。
トイレに行きたければ行くわけですし、
お腹が空いたら食事をするなら、
それは積極性以外のなにものでもありません。
なので、恋愛においてだけそれがないというのは、
理屈にかなわないことなのです。
ただ、発揮しにくいというだけなのです。

世の中の夫婦は皆、きっとどちらか一方でもが
どこかのタイミングでつとめて積極的に動いた
ということなのだと思います。
男性の方からなのか、女性の方からなのか、
それはわからないことですが、
ただ極めて積極的な瞬間があったということは、
言えるのだと思います。

お互いの気もちが同時に100であるならば、
それ以上はないのですけれど、
仮にどちらかが80だろうが70だろうが、
もう一方が積極的に動いたならば、
成立するのが恋愛なのではないかしらん。

もちろん互いの高まりやタイミングは重要ですが、
どちらかが積極的に動くということほど、
舞台を進める「きっかけ」はないはずです。

イデトモタカ(2013年12月9日)

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