神をもたないぼくらは、拝むことに飢えている。

拝み系の時代 モブ化するぼくら

いつから「尊い」ことが漫画の価値になったのか

拝み系の時代 モブ化するぼくら

なぜ人々は、漫画にこれほどまで「尊さ」を求めるようになったのか。どうして、壮大な世界に心躍る大冒険や、息をするのも忘れるようなサスペンスではなく、「ああ、尊い……」と拝んでしまう作品ばかり読むようになってしまったのか。ぼくらの世界は、ぼくらは、どうなってしまったのか……。

“ツイッター漫画の歴史と文化であり、ぼくらの歴史と文化でもある。”

ESSAY

本気堆積。

2022-10-02

過去の自分が今の、未来の、自分を助けてくれる。そういう生き方を目指しているし、そういう実感に幾度となく感謝しているわけだけれど、とにかく「本気」でなければ大した助けにはならないことが最近よくよくわかってきた。

この頃はもっぱら出版予定の本の執筆に時間をかけているのだけれど、そのとき過去の自分が書いたものがそのまま使えたり、役立てたりできることがある。でもそれも、「本気」の場合だけだ。

なんとなくだらだら書いたもの、手を抜いて書いたもの、全力で書いていないものは、どれだけ数があったとしても、後になって未来の自分の役に立つなんてことはない。なんの足しにもならないのだ。

「どうせ生きるなら」という言葉がある。前提として、どうせ生きのだ。手を抜いたって、楽をしたって、いいのだけれど、どうせ生きるなら、ぼくはまあむちゃくちゃやって死んでいきたいと思う派だ。

それがどういうめぐり合わせか、いつかの自分を助けたりもするわけだから。そういうシーンに何度も出会っているから。だからたぶん、根本のところで、ぼくはぼくを信じられているのだろうと思う。それは幸せなことなんかではなく、結果の話。

なんでこんなに書くものが多いんだというくらい、毎日毎日なんだかんだ書いているし、書きたいとも思ってる。もっと速く書ければと思わなくはないけれど、なんにだって適正というものはあるのだろう。論の組み立ての癖の問題もあるだろうけれど。

とにかく今日伝えたかったことは、「本気」でなければ積み上がらないということだ。積み上がらなければ、ずっと同じ高さにいることになる。景色は変わらないし、出会う人も変わらない。起こる出来事も変わらない。

大事なのは積み上がっていくということだ。積み上がっていくその下敷きは、過去の自分の「本気」の部分だけなのだ。

では、また書きます。
気づかなかったけど、十月なんだってね。

NEWS LETTER

イデトモタカの特別講義B

登録しなくても読めるけど、登録するともっと読めるぞ

誰でもアクセスできる書籍やメディア、不特定多数に向けた講演で伝えることが「一般講義A」だとすると、クローズドで限られた人だけに向けたのが「特別講義B」。もしぼくが教壇に立ったなら、自分の教え子にはこんな話をするだろうという疑似授業。Aでの本音。裏側。背景。もとより、Aではしない話を。

PRoFILE

イデトモタカ

イデ トモタカ Ide Tomotaka

作家、コピーライター

「カシミア広場。」の元管理人。大学在学中からビジネスを行い、一度も就職することなくコピーライターとして独立。DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の世界にどっぷり浸かり、26歳のとき広告費10万円で7億円を売り上げる。現在は大企業を中心にインターナル・メッセージの制作、教育プログラムの開発を担う。全員が各業界のプロフェッショナル、パラレルワーカー、リモートワークで運営される株式会社文殊の知恵にも参加。UXを動画や身近な事例で解説する専門メディア「UXジャーナル」のメイン編集を務める。2010年、Numero TOKYO×Loewe「ロエベ・レザースタイリングコンテスト」男子部門優勝。趣味は漫画/アニメ考察。株式会社letter 代表取締役、株式会社文殊の知恵 取締役。「幸せとは、家に冷えたボランジェがあること」。

BooKS

カシミア広場。2009-2012

15年の歴史に幕を下ろす、ベストエッセイ集1

カシミア広場。2009-2012

今日2022年6月11日で、ちょうど「カシミア広場。」を名乗りはじめて13年になる。わざわざこの日に合わせたわけでも、前々から待っていたわけでもない。それでも、こんな「きり」がいい日もないだろう。何度かの休みと、復活とを繰り返しながら、本当に、「カシミア広場。」を終えようと思う。

拝み系の時代 モブ化するぼくら

いつから「尊い」ことが漫画の価値になったのか

拝み系の時代 モブ化するぼくら

なぜ人々は、漫画にこれほどまで「尊さ」を求めるようになったのか。どうして、壮大な世界に心躍る大冒険や、息をするのも忘れるようなサスペンスではなく、「ああ、尊い……」と拝んでしまう作品ばかり読むようになってしまったのか。ぼくらの世界は、ぼくらは、どうなってしまったのか……。

漫画「ゴールデンカムイ」の面白さを言語化してみた

物語考察ってこうやるんだ読本

漫画「ゴールデンカムイ」の面白さを言語化してみた

「ゴールデンカムイ」の真の主人公は誰なのか? 三層構造になったミステリーとは? 本書を読み終わったあとには、なぜ「ゴールデンカムイ」は面白いのか、その理由を語れるようになっているはず。さらには、他の漫画やアニメ作品の見方も変わっているでしょう。漫画未読でも楽しめる本格考察本。

楽園

それは、見てはいけないもの

楽園

きたぞ、百年に一度のアルゴリズム・ドリーム。眠気も、犯罪も、公安も、振り切って駆け抜けろ──。イデトモタカ初のSF短編小説。

赤い糸

読み終えるまで三分、余韻が消えるまで三日

赤い糸

運命の赤い糸が実際に見える女の子の話。超短編小説。運命が見えたら、運命は狂うのか。

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