神をもたないぼくらは、拝むことに飢えている。

拝み系の時代 モブ化するぼくら

いつから「尊い」ことが漫画の価値になったのか

拝み系の時代 モブ化するぼくら

なぜ人々は、漫画にこれほどまで「尊さ」を求めるようになったのか。どうして、壮大な世界に心躍る大冒険や、息をするのも忘れるようなサスペンスではなく、「ああ、尊い……」と拝んでしまう作品ばかり読むようになってしまったのか。ぼくらの世界は、ぼくらは、どうなってしまったのか……。

“ツイッター漫画の歴史と文化であり、ぼくらの歴史と文化でもある。”

ESSAY

革命と処刑台。

2022-11-27

いつか理想的な人生(毎日/生活)が訪れる、と考えるのは間違った幻想です。これだけ生きてまだ達成されていないどころか、周囲を見渡してみても、そんなものを手に入れた人など、ただの一人もいないわけです。ゆえにそういった妄想を抱くことから、そろそろ大人にならねばなりません。

あらゆるものは途中です。ぼくの部屋にはまだ、名古屋の家を引き上げたときにやってきた段ボールの山が崩されないまま存在しています。6つあった段ボールが辛うじて4つには減りましたけれど、専有スペースはそのままです。

ぼくもどこか、いつか(魔法のように)片付くのではないか、落ち着くのではないか、シンプルで美しい、理想的な生活が完成するのではないかと希望を抱いているわけですが、きっとどこかで大きな(人為的な)リセットでもない限り、まあ難しいでしょうね。

ただそれも悪いことばかりではなく、そのおかげで、さまざま工夫や知恵は出てきます。なにせ、このままでは、つまり「今のままのぼくでは」どうしようもないわけですから、今のぼくではない何者かに、生まれ変わる圧力が日に日に高まっていきます。そうしてまた、違う人になっていくのです。

時間の使い方について、以前よりはまだ上手になってきていると思っていて、個人的見解としては、あともうひと工夫というところまで来ているのではないかという、淡い期待があります。

今考えていることがうまく機能したならば、人生はよりクリアになり、さらにまた別の本が書けるのではないかという展望も。無論犠牲は必要です。なにを処刑台にあげるのか。残酷なその現実を、目を見開いて受け止められない限り、革命というものは、あるいは成し得ないのではなかろうか。などと。

では、また書きます。
本を読んで、本を書く。その繰り返しだけで、十分に幸せで。

NEWS LETTER

イデトモタカの特別講義B

登録しなくても読めるけど、登録するともっと読めるぞ

誰でもアクセスできる書籍やメディア、不特定多数に向けた講演で伝えることが「一般講義A」だとすると、クローズドで限られた人だけに向けたのが「特別講義B」。もしぼくが教壇に立ったなら、自分の教え子にはこんな話をするだろうという疑似授業。Aでの本音。裏側。背景。もとより、Aではしない話を。

PRoFILE

イデトモタカ

イデ トモタカ Ide Tomotaka

作家、コピーライター

「カシミア広場。」の元管理人。大学在学中からビジネスを行い、一度も就職することなくコピーライターとして独立。DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の世界にどっぷり浸かり、26歳のとき広告費10万円で7億円を売り上げる。現在は大企業を中心にインターナル・メッセージの制作、教育プログラムの開発を担う。全員が各業界のプロフェッショナル、パラレルワーカー、リモートワークで運営される株式会社文殊の知恵にも参加。UXを動画や身近な事例で解説する専門メディア「UXジャーナル」のメイン編集を務める。2010年、Numero TOKYO×Loewe「ロエベ・レザースタイリングコンテスト」男子部門優勝。趣味は漫画/アニメ考察。株式会社letter 代表取締役、株式会社文殊の知恵 取締役。「幸せとは、家に冷えたボランジェがあること」。

BooKS

カシミア広場。2009-2012

15年の歴史に幕を下ろす、ベストエッセイ集1

カシミア広場。2009-2012

今日2022年6月11日で、ちょうど「カシミア広場。」を名乗りはじめて13年になる。わざわざこの日に合わせたわけでも、前々から待っていたわけでもない。それでも、こんな「きり」がいい日もないだろう。何度かの休みと、復活とを繰り返しながら、本当に、「カシミア広場。」を終えようと思う。

拝み系の時代 モブ化するぼくら

いつから「尊い」ことが漫画の価値になったのか

拝み系の時代 モブ化するぼくら

なぜ人々は、漫画にこれほどまで「尊さ」を求めるようになったのか。どうして、壮大な世界に心躍る大冒険や、息をするのも忘れるようなサスペンスではなく、「ああ、尊い……」と拝んでしまう作品ばかり読むようになってしまったのか。ぼくらの世界は、ぼくらは、どうなってしまったのか……。

漫画「ゴールデンカムイ」の面白さを言語化してみた

物語考察ってこうやるんだ読本

漫画「ゴールデンカムイ」の面白さを言語化してみた

「ゴールデンカムイ」の真の主人公は誰なのか? 三層構造になったミステリーとは? 本書を読み終わったあとには、なぜ「ゴールデンカムイ」は面白いのか、その理由を語れるようになっているはず。さらには、他の漫画やアニメ作品の見方も変わっているでしょう。漫画未読でも楽しめる本格考察本。

楽園

それは、見てはいけないもの

楽園

きたぞ、百年に一度のアルゴリズム・ドリーム。眠気も、犯罪も、公安も、振り切って駆け抜けろ──。イデトモタカ初のSF短編小説。

赤い糸

読み終えるまで三分、余韻が消えるまで三日

赤い糸

運命の赤い糸が実際に見える女の子の話。超短編小説。運命が見えたら、運命は狂うのか。

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