ESSAY

2021-05-16

お気に入りの人生。

15年以上前から、『口癖の魔法』的な本を何冊(あるいは十何冊)か読んだことがあったのですが、これといって実践・習慣化するには至っていませんでした。効果のほどを信じていなかったわけではありません。むしろかなり信じている方だと思います。ぼくはことばの人間ですから。言霊を疑うわけにはいきません。

ではなぜ、実践・習慣化には至っていなかったのかというと、単に気に入った「口癖」に出会っていなかったからではないかと思います。最近ひょんなことからインテリアに凝りだしたのですが、それも気に入ったものを見つけたからです。ワイン(シャンパン)もそうでした。気に入ったものに出会ってから、途端に世界に浸っていくことがあります。万年筆(ローラーボール)やファッションなんかも。

たぶん仕事にしてもそうで、ぼくは割と早い段階で気に入ったもの(作業)に出会ったので、あまり迷うことなくのめり込んでいきました。これは幸せなことです。でもそれもただの幸運かというと微妙な話で、読書でいうところの乱読、手当り次第に首を突っ込んでいったからこその出会いではあったと思います。

もしあなたはその世界に興味がなくとも、それはその世界がつまらないのではなく、あなたがまだ、気に入るものに出会っていないからなだけかもしれません。いいえ、その可能性はかなり高いです。

人生とはある種、どれだけのお気に入りに囲まれて生きていけるかという遊びでもあります。お気に入りばかりで満たされた時間と空間こそ、幸せへのずいぶんな近道で。そういえば、ぼくはお気に入りの「口癖」を見つけてから、さっそくいろいろな恩恵にあやかっています。偶然かもしれませんが、ぼくとってはどちらでもよくて。あなたのお気に入りはいくつありますか。お気に入りを増やすと苦しいですが、楽しいのです。

では、また書きます。
お気に入りに出会うと、数は必要としなくなります。

イデトモタカ