ESSAY
2011-07-04
雨トカニモ負ケズ。
一国の首相や大臣が、ことばのつかい方ひとつ、選んだ単語一個でその生命が失われる時代でございます。小さなミスも、ささいなつぶやきも、揚げ足取りの負の資源として蓄積されます。そのせいか、関係ないのか、ぼくもなんだか、断定的なものいいが、下手だなーと思います。その曖昧さが、ぼくの特徴なのかもしれないですが、やはり、きわめて苦手だなぁと思います。
「雨にも負けず、風にも負けず、」という名文句も、きっといまのぼくなら、「雨とかにも負けず、風とかにも負けず、」なんて、書いちゃうんだろうなぁと想像して、ちょっと苦笑いなんてしてみます。
明らかに、ことばの重みというかね、ことばの使用対効果のようなものが、割に合わないというか、危険になってきております。そりゃぁ政治家のおじちゃんたちも、無難なこというわさぁ。
「雨とかにも負けず、風とかにも負けず、」……「とか」って、なに、でございます。でもきっと、そうなんだなぁ。
いまの世界で、ものごとを断定的にいう人は、かっこよくて、きけんで、でも、いいです(これもまた、曖昧な表現で)。
イデトモタカ