ESSAY

2011-08-01

手をはなす。

にぎったロープをはなす、ということが、いかに大切かということをこのところ実地で学んでおります。仕事ができることと同様に、仕事をふれることも、とても重要です。ここがじょうずにできるようにならないと、一定以上前には進まなくなると思うのです。

まずはじめは、ロープを持たせてもらえることがうれしいです。だから、それをしっかり持っていようと考えます。そして、しっかり持っていることで、ほめられたり、認められたりします。でもいつしか、どんどんそんなロープが増えていき、ついにはじぶん一人ではとうてい持てないほどの、たくさんのロープで両手がいっぱいになります。そのときに、ロープをじょうずにはなせるか。それが、次の課題となります。

はなしてもいいロープと、はなしてはいけないロープがあります。はなしてもいいロープでも、そのロープをかわりに持ってもらう、信頼できる相手がいなければ、そうやすやすとはなすことはできません。逆に、はなしてはいけないロープをはなしてしまうと、これまで積み上げてきたものは、すべて泡と消えてしまいます。

どのロープははなしてもいいのか。それをだれに引き渡すのか。

前提として、両手がふさがってるならば、新しいロープも、より大切なロープも、つかむことはできないのです。本当に大切な数本だけを選び抜くチカラもまた、その人の立派な能力だと思います。

せっかく渡されて、にぎっていたロープから手をはなす。これはこわいことですが、それが進展ということです。いつかどこかでこのお話が、あなたの役に立ちますように。

イデトモタカ