ESSAY

2011-08-14

ツボとパワーストーン。

いまでは、ツボという存在は「うさんくさいもの」の代表という感じがあります。なにやら怪しい話になると、つい、「それ、ツボ買わされるんじゃないの?」といって笑うような、それくらい、庶民的というか、信仰の対象にならない「特別じゃないもの」になっていると思います。

昔はどうして、このツボというものが、「特別」だったのかしらん。すがりたくなるような、魅力をもっていたのかしらん。そういうことを、ふと、考えてみました。その辺りに関する専門的な知識もないですし、根拠もないので、いつもどおりただのコラムとして読んでいただければうれしいです。

おそらくツボが流行っていた時代というのは、呪いや呪術というものが、世間的に成立していたのだと思います。そういう「外からの悪いエネルギー」を人々はおそれて、そして対処できずに、困っていたのだと思います。そこでなぜツボなのかというと、そういう「外からの悪いエネルギー」を、ぜんぶ吸い込んでくれそうだったんじゃないかなぁ。邪気みたいなものを、底なしに吸引してくれる。というところで、魅了していなのではないかと思います。要するに、ツボが流行っていたときは、みんなが悪いエネルギーに敏感で、それを防ぎたかったのだと思うのです。

一方、現在はというと、石ですね。ツボにかわってパワーストーンが人気を博しております。「一緒にしないで」といわれるかもしれませんが、ここは一緒にさせていただきます。外からの悪いエネルギーを無効にしてくれる「ツボ」がなぜあんなにも信仰されていたのかというと、それは当時は経済が上り調子だったからだと思うのです。だれしも、調子のいいときは、下へ落ちるのを怖れます。だから、悪いものへの対処に必死になるのだと思います。

ところがいまは、経済やらなにやらが下り調子です。ですので、上へ向けてのエネルギーが、流行しているのではないかしらん。それで、石。大自然のスーパーなパワーをもらおう! ということだと感じます。だれのせいかもわからない、だれがわるいのかもわからない、じぶんがなにをしたらいいのかも、あんまりよくわからない。だから、大自然の、未知の、スーパーなエネルギーよ、パワーをちょうだいっ♪ ……なのだと思います。

これで、もしまたこの国の経済やらなにやらが、すんごくうまくいって上り調子になってきたら、たぶんパワーストーン人気も終わって、またツボ的な、悪いものへの対処風のなにかが流行るんじゃないかなぁ。石屋さん、でも当面は、残念なことに大丈夫だと思いますよー。さてさて、次は、なにかしらん。

イデトモタカ