ESSAY

2011-11-07

切ないイキモノ。

好きにならないように気をつける。恋しないように、気をつける。そういうことをね、人はするんだ。これはぼくらが、動物から人になって、はじめて手にした感情なんじゃないかしらん。近いものでいうと、「切ない」になるのかなぁ。

好きになったらいいのに。恋したら、いいのに。そういう「ふつうっぽいこと」さえ、ぼくらは考えて、いろんな事情を考慮します。なにを慮ってるのかというと、それは未来なのだと思います。

だから、つまり、好きにならないように気をつける、は、その人とのたのしそうな未来を、ありえそうな未来を想像することを、しない。ということじゃないかと思うのです。それは、たぶん、来ないから、です。少なくとも、そう思っているから、なのです。

だとすると、好きで、好きで、死ぬほど好きで、という状態というのは、その人との未来に、あってほしい未来に、うんと想像力を働かせているときかもしれません。あるいは、こころのなかにその人の居場所が、とてもあるということだと思うのです。好きにならないように気をつける、の場合は、じぶんのこころに、その人を入れない、ということになるのだと思います。こころに入れちゃうと、きっと、暴れちゃうからさ。

好きにならないように気をつける。恋しないように、気をつける。ぼくらはいつ、そんな高度な感情を、学んできたんだろうねぇ。こころが繊細に進化してきて、ちょっと、傷がつきやすくなっちゃったのかもね。だれしも、傷だらけで、生きてるんだろうなぁ。

イデトモタカ