ESSAY

2011-12-05

毎日がすぺしゃる。

きょう淀屋橋という駅の近くを歩いていると、「やっぱり、思い出は多いほうがいい!」という、ある遊園地の広告が目にとまりました。そこでふと、考えました。「思い出」って、なにかしらん。

「思い出」を辞書で調べてみると、<過去にじぶんがであった事柄>とありました。なるほど、だいたい想像していたとおりですが、なんだか、この「思い出」ということばは、人生のなかでもとりわけ印象的な出来事、つまり、非日常的体験にたいしてのみ、もちいられているような感じがします。

「アイススケートに行って、思い出をつくろう!」とはいっても、「スーパーでお水を買って、思い出をつくろう!」とはなかなかいいません。

けれど、ほとんどの日々は、淡々と過していく時間であり、そしてそういった日常が積み重なって、人生がかたちづくられるものだと思います。けれど、人は、ぼくは、非日常しか、思い出とはなかなか呼んであげません。あるいは、状況が変って、たとえば結婚して、転勤して、職が変って、日常がこれまでと様変わりしたときに、戻ってこない過去の日常が、現在の非日常化したときにはじめて、少し、思い出と呼ぶ程度だと思うのです。

でも、ほんとうは、いまこの瞬間も、次の瞬間のじぶんにとっては、「思い出」なんですよね。だから、遊園地に行かなくても、思い出は毎日つくられています。

「やっぱり、思い出は多いほうがいい!」たしかにそうなのですが、いまこの瞬間を、きょう一日を、「思い出」にできるように、毎日毎時間を、大切に、それこそかけがえのない時間のように過せたらなぁと感じました。

イデトモタカ