ESSAY

2011-12-11

継続されている世界。

継続は力なり、ということばが、ぼくはあまり好きではありませんでした。ことばのイメージも、どこか堅苦しい感じで、なかなか馴染めずにいました。「なにごとも継続が大事だよ。」と、立派な大人の方々にいわれるたびに、(そうなんだろうけどさ、)と、反射的に卑屈になるじぶんがいました。

それが、歳と重ねるごとに、だんだんと、その重要性を理解しはじめて、「継続することは大事」ということを、わりと素直にこころが受け容れていきました。けれどそれは、「嘘をついちゃいけない」や「早起きは三文の得」とおなじように、実感としてというよりも、ある標語や、スローガンのように掲げられたものでした。

ところがきょう、ようやく、「継続が大事」ということを、直感的に、完全に、飲み込むことができました。ふとしたインスピレーションだったのですが、ストーブにあたりながら本を読んでいると、なぜだか急に離陸前の飛行機のプロペラがゆっくりと回り始める映像が頭に浮かびました。その瞬間に、わかったのでした。そういうことか、と。ぼくは興奮して椅子から落ちそうになりました。

飛行機でも、ヘリコプターでもいいのですが、プロペラを回して空を飛ぶとき、そのプロペラを一周回しただけでは、もちろん飛べないのです。二周でもダメです。百周とか、千周とかで、ようやく始まるのです。しかもその間に、途中で休んでもダメなのです。車のタイヤや電車の車輪もおんなじで、一回転や二回転では目的地には着けないし、たいして速度も出ないのでした。軌道に乗って安定するまでには、休みなしに、ある程度の回数をこなさなければ、とうてい実現しないのです。

一度そういう着想が頭に芽生えると、世の中のものすべてが「継続」により成り立っている、機能しているのだということがわかるようになりました。この暖かいストーブも、継続的に電力がコンセントから供給されているから、こうして暖かいわけで、電気の供給は一瞬や一回では、価値を生み出さないのでした。

ぼくはいま、めずらしく興奮しているので、少なからず大げさで、こじつけがましいかもしれないですが、あらためて発表したいと思います。

「継続は力なり」です。

イデトモタカ