ESSAY

2011-12-13

思い出のアルバム。

いつのことだか、思い出してごらん。あんなこと、こんなこと、あったでしょう。

この歌って、どうしてこんなにも切ない気もちになるんでしょうね。きょう家で仕事をしていたら、窓の外から、近くの小学生がリコーダーでこのメロディを吹いているのが聴こえてきました。すると反射的に、冒頭の歌詞がね、自然にあたまのなかで、あまりじょうずとはいえないメロディに乗って、再生されるのでした。

幼稚園のときのことは、あんまり憶えていないのですが、小学生のとき、中学生のとき、この歌を習ったこと、うたったことは、たしかに記憶にあります。もしかしたら、卒業式にもうたったのかもしれません。子どもながらに、切ない歌詞だなぁと思っていたような気がします。

この歌詞のとおり、人生の、いつのことを思い出しても、例えば去年の夏でも、高校二年生の冬でも、なにかしら、あんなこと、こんなこと、あったのでした。

もちろんね、思い出せない頃もありますよ。10歳になった誕生日のときとか、どんなことがあったのか、どんなふうに過ごしたのかなんて、ぼくには思い出せません。けれどそれは、なにもなかったから思い出せないのではないのです。たぶん、ふつうに、幸せだったから、こころにとっかかりができていないのだと思います。

思い出すことを切ないと感じてしまうのは、そのときにいた人や、そのときにいた場所が、あるいはそのときにはあった気もちが、いまにはないからなのかもしれないです。けれど、その瞬間の延長線上に、いまがあるわけなので、たぶん、悲しいことではないんでしょうね。

あんなこと、こんなこと、あったなぁ。そしてきょうも、そうなんだなぁ。

ぼくのリコーダー、どこいったんだっけな。

イデトモタカ