ESSAY
2012-02-22
明るくあれ。
人間関係の問題は、少しおとなになったいま振り返ると、そのときぼくがもうちょっとだけでも明るかったなら、それですんだことがいくらでもあるような気がします。
もしくは、相手の人が、語調をゆるめてわずかでも好意を感じる声でいってくれたなら、なにごともなく過ぎていったことがうんとあったように感じます。
そのことを知っているのなら、笑顔でいようと思います。明るくいたいと思います。
あのときぼくが笑顔だったら、怒らずにすんだ人がいるはずだから。あのときぼくが明るかったら、落ち込まずにすんだ人がいたはずだからさ。
そういえば日本人の名前には、男性でも女性でも、「明」という字を親からいただいている人がずいぶんと多いような気がします。人は歳を重ねて、それこそ子どもをもつくらいの年齢になったとき人生は「明るくあれ」と悟るのかしらん。
大事な大事な子どもの名前に、明るいの「明」を選ぶ人がこんなにも多いのは、大切な大切なことばなんだと感じている人が多いからなのかもしれません。
明るくあれ。このことば、晴れるといいねとおなじくらい、ぼくは好きになりそうです。
イデトモタカ