ESSAY
2012-05-22
一緒に生きたい。
つい勘違いしてしまいそうになるじぶんがいるのですけれど、ぼくはあなたが「役に立つから」一緒にいるわけではないのです。同様に、あなたもぼくが、あなたの「役に立つから」一緒にいてくれているわけではね、ないのだと思うのです。それは部分であって、関係性の軸や幹ではないのです。
けれど、どうしてだかぼくは、あるいは人は、だれかと関係をもちたいと思ったとき、だれかとの関係を続けたいと望んだとき、「役に立たなければ」あるいは、「役に立てないかもしれない」と、そう思って(勝手に)尻込みしたり、不安に思ったりしてしまうことがあるのです。
社会に出れば、そういうものが軸や幹となった関係性というものも、もちろん「ある」ものです、が、こころから一緒にいたいと思う相手には、そういうものは文字どおり、「二の次」なのではないかしらん。
ぼくはそのことに気づかずに、ずいぶんと長いあいだ、変な一人相撲をとっていたような気がします。そもそもぼくの大半は詩人なわけでして、たいして役に立たないのだということもすっかり忘れておりました。
役に立ちたい、役に立ちたい、というつよい願いにも似た思いが、返って滑稽なプライドのような雑草に栄養を与えて育ててしまっていた気がいたします。
あなたと一緒に生きたい。シンプルに、そういうものになりたいです。
じぶんの知らない使い道も、じぶんにはあったりしてさ。
イデトモタカ