ESSAY

2012-08-19

「その場だけでない」仕事。

じぶんが動く、じぶんの時間を切り売りする、といった時給というかたちでの働きかたは、ぼくはすぐに(低い位置で)金額としての限界を迎えるのではないか、と思っていました。

2012年現在の、大阪のアルバイトの最低賃金は768円なのだそうです(いま調べました)。仮にそこを時給のスタートラインとして、複雑な条件を加えていくごとに金額はアップしていきます。とはいえ、数十円や数百円の単位です。

例えば夜のお仕事なんかだと、三千円から五千円くらいまでいくかもしれません。でもそうなると、労働時間が短くなる場合も多いので、結果としてフルには働けないかもしれません。三千円や五千円というのは、確かに時給としてはすごいですが、けれど「そんなもんか」といわれれば、そんなもんかです。

そういえば、すごく勉強ができて頭のいい弁護士さんの一時間の相談料は、すごく高くて二万円くらいです。テレビに出てるような有名な人でも、だいたい一万五千円くらいだったと思います。これは、なかなか大した金額です。

そこからさらにぐいっと上がって、著名な講演家さんなんかは、一回二時間の講演で十万円から三十万円くらいの講演料をいただいてると聞きました。ここまでくると、すごい、です。でも、時給です。

一時間768円の労働と、一時間十万円の労働と、なにが違うのかといえば、それはまぁいろいろ違うのでしょうけれど、ぼくが考えていていちばん「これだ」と思ったことは、「過去も含めて働いている」ということでした。

世の中に溢れている一般的な金額のアルバイトで求められている仕事は、いわば「その場」の仕事です。だから、その場として働いた時間の分だけ支払われます。けれど、高い時給、数万円、数十万円といったすごいなぁという人たちがしている仕事は、その場だけでない、過去も含めた仕事です。

そのため、過去のじぶんの時間、勉強した時間、なにかを経験した時間、というのも労働時間に含まれる、いわば「その場だけでない」仕事です。だから、過去の時間も働いた時間として含まれるので、「その場」の仕事の人の何十倍、何百倍もの金額が支払われることになります。

あてずっぽうな考えですが、ふとそんなふうに思いました。この考え方はなかなか気に入ったので、そういった目線で、これから社会を見てみます。また気づくことがあるかもしれないですしね。

イデトモタカ