ESSAY

2012-08-21

変化するが自然。

安定したい。特に収入や生活についてそう願うこころは、ある一定の年令に達した人ならば、だれしも抱いたことがあったり、あるいはふとした瞬間に、求めていたりするものではないかと思います。

けれど、ぼくはそれは無理なことだと思っています。なぜそう思うのかといえば、一言であらわすなら「不自然だから」です。自然の秩序に反しているから、なのです。

木は春になると花を咲かせて、夏には緑の葉でいっぱいになります。秋にはそれが紅葉し、冬には枯れ葉となり散っていきます。そして、やがて小さな芽を出して、また春には花を咲かせます。つまり、日々「変化すること」が基本にあります。

それは四季のない国や地域にしてもおなじです。また、当然「木」に限ったことでもありません。自然の世界では、常に「変化」しています。

川は流れる、雨は降る、雪は溶ける、雲は動く、太陽だって昇っては沈みます。あらゆるものが刻一刻と「変化」しています。それがぼくらの住んでいるこの世界です。安定しているものなんて、なに一つないのです。

ぼくらは安定したいと願います。でもそれは、「時間を止めたい」ということと、おなじことだと思うのです。自然なことではないのです。

求められていないモノをつくる、必要のないものを売ろうとする、商品やサービスの内容を偽る、実際の価値よりも高い値段をつける。ぼくはビジネスというものをやってきて、そういった「不自然なこと」をして、失敗していく人をたくさん見ました。じぶん自身が失敗したことも、いっぱいあります。そして何度も痛い目にあって思ったのでした。「自然の摂理に反することは、うまくいかない」と。

生活においても、ビジネスにおいても、真に「安定」というものはないのだと思います。短期的にはそれっぽく見えたとしても、長期的にはやはりそれは有り得ないものです。あるいは、安定だと信じているものが、実は停滞だったりするかもしれません。けれど自然は安定も、停滞も、好んではないように(ぼくには)見えるのです。

だとすれば、答えは一つ。変化をたのしみましょう。それがたとえどんな変化でも、ぼくらにはそれができますからね(幸運にも!)。

イデトモタカ