ESSAY

2012-09-01

磨けば光る。

磨けば光る、ということばがあるけれど、光ったら、どうなるんだろう。そういうことを、考えていました。

モノの場合、一生懸命磨いたら、ぴっかぴかになります。つまり、鏡のようになります。車でも、ピアノでも、バットでも、ぴっかぴかに磨いたら、鏡のように、じぶんの顔や外の世界が映ります。でも、曇っていたら、映りません。中途半端なら、歪んで映ってしまいます。

ふと、人もおんなじではないか、と思いました。人も、磨けば光るといわれます。だとすれば、ぴっかぴかになるまで手を抜かず、一生懸命に磨いていったなら、最後には、やっぱり鏡のようになるんじゃないかなぁと思うのです。そして、じぶんは世界を映していて、また、世界はじぶんを映しているのだということを、実感するのではないかという気がします。

向き合った相手のなかに、じぶんの至らなさを見つけ、相手の素晴らしさを見つけ、じぶんという人間を見るのだと思います。相手が草木でも、動物でも、鉱物でも、空でも、水でも、そこに映るじぶんを見つけるのではないかしらん。それらをじぶんは映しているのだと、知るのではないかしらん。

周囲の人にしても、そういう、鏡のように磨かれた人を前にしたなら、そこにじぶんの姿を映し見て、それぞれにとって大切な「なにか」を知るきっかけになるのではないかと思います。

じぶんを磨いていくことが、世界を正しく知ることであり、相手を正しく見ることであり、つまり、じぶんを深く識ることなのではないかと思います。

イデトモタカ