ESSAY

2012-09-07

夢中飛行。

なにかに夢中になってるときや、ほんきでけたけた笑っているときは、意識が「そのこと」だけに集中していて、他のことなんて、すっかり忘れてしまってます。夢中になってる「そのこと」や、可笑しくてしかたがない「そのこと」以外、あたまのなかにはありません。そういうとき、人は、純粋に幸福なのだと思うのです。

きょう電話をしているときに、どちらともなく可笑しなことをいって、ふたりで息ができないくらい、ずっとけたけた笑い合っていました。その最中には、ぼくは将来への不安や、ほしいモノや、生きてる意味や、叶わなかった夢や、失った恋や、とりかえせないあの後悔を、すべて忘れて笑っていました。

その瞬間が一生つづくなんてことは、ありえない話なのだけれど(そもそも息ができないし)、でも、もしそういう状態でずっといられたなら、それは死ぬほどハッピーなことだと思います。

なにかに嫉妬することもなく、手に入らないモノを欲しがることもなく、だれかと比較することもなく、期待も不安も不満も依存も存在しない、ただ「そのこと」という、夢のなかにいる。

好きなこと、つまり、夢中になれることを仕事にできた人が幸せなのは、「そのなか」にいられる時間が長いからであり、そのうえで、お金も貰えるからなのだ、と思います。

ではほとんどの、生きるために仕事をしている人は、どうすればいいのかと訊かれれば、それはやっぱり「夢中になれるように工夫しようぜ」ということになります。好きなことのほうが夢中になりやすい、というだけで、夢中になるのに好きや嫌い、たのしいたのしくないは、あんまり関係ないものです。

「現実」にはそれぞれに、各々に、いろんな問題がありますが、「夢のなか」では、いま目の前のこと以外に、他はなにもありません。いつか最期の日が訪れたときに、「すばらしい夢のなかにいたようだった。」といえたなら、どれだけいいだろうと思います。

つまり、悩んだり、苦しんだりもするけれど、いつも今に夢中で、笑っていたいなぁと思います。

目指すのは、現実逃避ではなく、夢中飛行だ。

イデトモタカ