ESSAY

2012-10-03

オトナコドモ。

ぼくの尊敬するような人たち、こんな大人っていいなぁと憧れの目でみる方々というのは、よくよくどんな人なのかと考えを煎じ詰めていったなら、「子どものときの気もちを憶えていて、それを今でも大切にしている人」ということになるのだと、きょうはじめて気がつきました。

人は忘却の生きものだ、というようなことがいわれますが、「じぶんが子どものときのこと」は、なかでも特に忘れられていると思うのです。それを憶えている人、そのときの感覚を大事にしていて、いまでも判断や行動の基準にしている人に、ぼくはどうも惹かれるようなのでした。

けれどこれは、世間でよくいうところの、オトナなのに少年のような人や、少女のような人というのとは少し違うのです。まだうまくことばにならないのですが、いちばん近い表現でいうなれば、じぶんに嘘をついてない人、あるいはじぶんに正直な人、ということになりそうです。

根本的な話になりますが、やっぱり人間として理想的な生きかたや、理想的な在り方というのは、子どもの姿なのだと思うのです。そしてこの考えはなにもぼくのオリジナルではなく、ぼくが影響を受けたいろんな方々がいっていたことでした。

生活の中心が遊びで、損か得かではなく好きか嫌いか、いいかわるいかで判断している。そしてまだ来ない未来を心配することなく、いつも全力で、いつもなにかに夢中で。子どもってのは、そういう存在です。そして、そのままの気もちで社会性を養い、オトナになった人というのが、ぼくにはいっとう素敵に映るのでした。ぼくもね、そういうものになりたいと思うのです。

イデトモタカ