ESSAY

2012-11-16

恋しさについて。

ホリエモンこと、元ライブドアの堀江貴文さんについて、特別に、ぼくは好きも嫌いもないのですけれど、昔彼の本を読んで、とても納得し、「ほんとだなぁ」と今でも大切に憶えていることがあります。

彼は在学中に起業したわけですが、これから会社を興そう、事業に挑戦しよう、という人たちへアドバイスを、というときに、「これはいける、絶対に成功させる、そう思えるアイディアなり計画があったなら、お金は持ってる人から借りればいいんです。そのために働いて貯金をしようなんて、時間の無駄でしかありません。もし誰からもお金が借りられないのなら、そのアイディアや事業に魅力がないか、あなたのこれまでの生きかたが悪かったんです。」ずいぶんとうろ覚えですが、大筋としてはそういうことをいっていました。そしてそのことばに、当時のぼくは「確かに!」と膝を打つ思いでした。

実際に彼は会社を興そうと決心したときに、そのとき付き合っていた彼女の父親から(何百万円だったか忘れてしまいましたが)、お金を借りてスタートしています。息子ならまだしも、他人である娘の彼氏にそんな大金を貸したお父さんもすごいですが、それだけ信用と期待(とたぶん情熱)があった、ホリエモンもすごいなぁと思います。

ぜんぜんスケールもスピードも違いますが、ぼくも事業というものをやってきていて、それなりにいろんな人からお金を借りてきました。ほめられた話ではないんですけれどね、総額でいうと、相当なものになってるはずです。でもね、やっぱり大事なお金を「貸してもらえるかどうか」というのは、ある意味でその人の一つの尺度でもあると思います。

これまでをふり返って、年々、困ったときにお金を貸してもらえる人がずいぶんとふえてきています。それは、きちんと返しているからという以上に、信用だったり期待だったり可愛げだったり、そういう目に見えない部分での成長や進歩が、あるんだろうなぁと、うれしくなります。

お金は(銀行から以外は)借りないで済むのなら、借りないに越したことはありません。でも、もし貸してもらわないとどうにもならない、という状況になったとき、いまのじぶんは貸してもらえるじぶんなのかどうか、とたまにじぶんの問いてみることは、道の真ん中を外さない生きかたをするために、ひとつ「あり」なんじゃないかという気がします。

イデトモタカ