ESSAY

2013-03-10

充電よりも放電。

エイベックス・グループ・ホールディングス代表取締役社長の松浦勝人さんが、ある雑誌のインタビューで「僕には、充電じゃなくて放電が大切」とおっしゃっていました。このことばは、とてもぼくにはしっくりきました。ぼくも「充電」よりも「放電」することで、じぶんのなかのバランスをとって、気持ちよく過すことができている気がします。

充電というと、なにかを蓄えたり、あらたに入れたりするというイメージですが、放電はというと、無駄なものや気もち、蓄積された負の感情やエネルギーを、手放して、あるいは解き放って、じぶんのなかをクリーンにする感じがします。

好きな話なので何度も聞いたよ、という方もたくさんいらっしゃるかもですが、「ストレスというものは、使われなかったエネルギーなのだ」という考えかたをぼくは採用しています。そういう視点からも、この「放電」という表現はしっくりきます。たいていの場合、なにかが足りないのではなく、いつも少し、なにかが多いのです。ぼくはそう感じています。

ただ、ぼーっとする、静かな時間を過す、ということも放電になりますが、積極的に余ったエネルギーを別のものに使う、ということも、いい放電になります。ぼくはいま、数年ぶりに小説を読んでいるのですが、これがとてもよい「放電」になっている、と思いました。

本を読む、という行為は能動的です。じぶんの目で文字を追い、指でページを繰り、頭とこころでイメージを想像しないといけないからです。この能動性が、日々の生活のなかで微妙に使えずに、余って溜まってしまっていたエネルギーの、たのしい使い途になっていて、とてもいいぞという感じです。

これからもエネルギッシュに生きながら、おもしろたのしく放電して過したいなと思います。あなたにとってのこの場所もね、毎晩の放電になれたらなぁと願います。

イデトモタカ