ESSAY

2014-02-28

人間らしく仲良く。

男女を問わず、大切な相手ほど、淡々とした付き合い方ができる必要があります。むちゃくちゃな付き合い方をするのも愉快ですけれど、むちゃくちゃな生活は長くつづきませんから、いずれ人間らしいリズムが恋しくなってしまいます。そのときに、通常の、淡々とした付き合い方ができない相手であるならば二人は永い仲にはなれっこないと思われるのです。

男女を問わず、気の合う相手と、出会った当初は盛り上がってしまうのが一般です。これまでのじぶんの人生や生活リズムを省みず、むちゃくちゃな付き合い方をしたくなるのがふつうです。その期間はその期間として、十二分に堪能するのも人生の醍醐味です。けれど、そんなときでも忘れてはいけないことは、人間はむちゃくちゃな生きものではないということです。

暗くなると眠り、明るくなると起きる。お腹が空けば、新鮮な旬のものを八分目に食べる。お酒は記憶も自我も飛んでしまわない程度に飲み、たまには自然のなかでゆったりと疲れを癒やす。つまり、派手な生きものではないのです、人間は。

仲をたしかめ合うように、愛をたしかめ合うように、むちゃくちゃなことをしたくなるのが人ですが、淡々とした日々をたのしく過ごせるのが最強なのです。そこに弱点はないのです。他人の目からふつうじゃないと思われる状態ほど、弱点が多いことは確実です。つまるところそれは、脆い関係であると心得るべきではないかしらん。

急激に燃やしたものは、必ずどこかに煤(すす)が出ます。その煤がぽつりぽつりと蓄積されていき、ゆっくりと体やこころを鈍くしていくことは知っておいてもいいことに思われるのです。そして、煤を掃除するのは、まぎれもなく、感度の高い淡い日常なのです。

イデトモタカ