ESSAY

2014-08-03

偶然の舟。

偶然、偶然、偶然。いま一緒に過している相手も、いま自分が仕事にしていることも、いま暮らしている環境や生活態度も、あらゆる選択の必然ともいえますが、そのもとのもとのもとにあるのはどこまでいっても偶然なのだと思うのです。偶然の出来事ばかりです、人生。

それでも、どこかで自分からの働きかけ、積極的に行動を起こすということがあったかなかったかで、偶然がプラスに転ぶかマイナスに転ぶのかが大きく、それこそ必然に変わってくるのだと思われるのです。

偶然の大きな産物に恋愛があります。出会ったのも、一緒になったのも、小さな小さな小さな偶然が重なってはじめて「いま」があるということがほとんどのはずです。世界中のどんな恋人や夫婦にしても、そこに偶然の入る余地のない二人というのはないのではないかしらん。生まれてきたのも、両親の偶然ですから。

けれど、なのです。けれど、偶然そのものとも思われるその恋愛にしても、どこかの瞬間でどちらかが、ハッピーな勘違いからこれは必然なのだ、運命なのだと思い込み、信じ、積極的になったからこそ実ったのではないかという気がします。

偶然の力だけでは行き着かない場所はあると思うのです。ここまでは偶然が運んでくれたけれども、ここから先は、自分の積極性がなければ絶対に進めない、開かない扉というものは、あるはずなのです。それはぼくの人生を通して、確信されることなのです。

人生が大きく動くとき。それは偶然に運ばれながら、偶然の不思議な舟に乗りながら、途中でこれは必然なのだと「ぐっ」とその舟の舵を握り、積極的に進路を決定づける行動を起こすことではないかなと。

あなたがいま乗っている舟も、あなたさえその気になればいつだって、その舵を握って進路を強引にでも決めることはできます。偶然とは、そういう乗り物だと思われるのです。

イデトモタカ