ESSAY

2014-09-23

ネガポジ整理。

ポジティブ思考について思うところがあります。いろいろな書籍や講演や人の話などをとおして、ポジティブ思考というものの存在を、けっこう前にぼくは知りましたし、あなたもお知りになられたと思います。

当初は浅い考えで「前向きな方がいいよね」程度にしか捉えていなかったのですが、いつからか周囲のポジティブ推奨が度を越してきたような気がして、なんとなく違和感が抜けなくなって「もっとポジティブに考えた方がいいよ」などと軽々しく言われると、正直に微妙な気持ちになってきました。

この違和感はなにかしらん。そもそもポジティブ思考ってどういうことかきちんと定義しなければ、ちょっともうわけがわからん。安易に乱用されすぎておる。という気持ちになりました。

そうするとあるときふと「あ、わかった」という瞬間がやってきました。ポジティブ思考というものはきっとこうだと定義できました。

結論から言えば「あるもの思考」がポジティブ思考であり、「ないもの思考」がネガティブ思考だと思うのです。

あるもの思考とは文字どおり「今あるもの」に目を向けるという思考法です。どんな局面においても、そのときその状態で「あるもの」はなにか。そこに目を向けて智恵を出す。それがあるもの思考でありポジティブ思考だと。

反対にネガティブ思考とは「今ないもの」に目を向けてぐだぐだうじうじ言うことです。そう考えると途端に、ぼくのなかでぐっと概念が整理されました。

どんな出来事が起きても無条件で前向き。それはちょっと違和感です。例えば財布をなくしたとして、その状況で「これもきっと何かの運命だ」とか「ちょうど財布を買い換えるつもりだったし」とか「きっとこれからいいことが起こる前兆だ」なんて想うのはポジティブ思考でもなんでもなくて、ただの「開き直り」か「慰めの自己暗示」です。

ぼくの考えるポジティブ思考とは「財布をなくしたのは痛いけど、ケイタイはあってまだ助かった。とりあえず銀行とカード会社に連絡できる」くらいなもので満点な気がします。

あるいは山で遭難したときに「大丈夫、大丈夫、きっと助かる」と唱え続けるのがポジティブ思考ではなく「これとこれとこれがあるから、助けがくるまで何とか凌げるだろう」と今あるものに目を向けられるのが、本当に使えるいい思考法に思います。反対に「あれがあれば」「これこれを持ってきていれば」と今ないもののことばかり思う思考を、ネガティブ思考というのだと思います。

思考を放棄して開き直るのではなくて「あるもの」に目を向けて道を切り拓く。

そういうのがぼくには合ってます。

イデトモタカ